京浜急行電鉄(株)=本社・東京都港区=が25日、区内「花月園前駅」を含む県内4駅(ほか産業道路、仲木戸、新逗子)の駅名について、2020年3月に変更すると発表した。沿線地域の活性化を目的とし、「変更を機に地元とも協力していければ」と話す。
花月園前駅が「花月総持寺」、仲木戸駅=神奈川区=が「京急東神奈川駅」、産業道路駅=川崎市川崎区=が「大師橋駅」、新逗子駅=逗子市=が「逗子・葉山駅」にそれぞれ変わる。
今回の駅名変更は、京急が創立120周年事業として、昨年秋に沿線の小中学生を対象に実施した「わがまち駅名募集」の一環。京急全線のうち、乗り換えターミナルや、歴史的史跡等で認知度の高い26駅を除いた46駅について、「数駅の変更を検討する」としていた。
京急は、4駅がいずれも変更することで沿線の活性化につながると判断。集まった意見を参考に、社内で変更を決定した。
また、誘客促進につながると判断された10駅には、駅看板に表記する「副駅名標」の掲出も決めた。鶴見区内では、変更と同時期に、花月総持寺駅に旧駅名の「花月園」、京急鶴見駅に「大本山總持寺」の名が入る。
意見総数1119件の駅別件数、内容は、ともに公表されていない。
知名度に期待
花月園前駅は、1914年に開設。同時期にオープンし、東洋一の遊園地と呼ばれた「花月園遊園地」があった。その後は花月園競輪場(2010年閉場)となり、現在は防災公園の整備が進む。
選定理由は「新たなまちづくりが計画される中、全国に知られる曹洞宗大本山總持寺の名が入ることで地域活性化につなげる」などを挙げている。
京急は、京急鶴見、花月の両駅に「總持寺」の名が入ることについて「どちらからもアクセスできるというところを推していきたい」と説明。「副駅名は路線図には入らないので、利用者の混乱は避けられるはず」とした。
住民からは賛否
京急は事前に周辺自治連合会や商店街への説明を実施していた。
駅前の花月園前通り花商会は「思い入れは強い。花月の名は残してほしい」と要望はしたものの、「時代は変わり、今のままでは衰退する。きっかけとして変更は良い」と賛成。よく總持寺に訪れるという住民は「總持寺、花月園ともに鶴見の財産。両方の名が入るのは嬉しい」と歓迎する。
一方で、開かれた形での説明がなく、対話を求めて反対の立場だった住民らもいた。
昨年11月、変更検討を知った住民らは、915人分の反対署名を集め、同社に持参するなど活動。そのうちの一人は「もう少し署名もあった。春に発表と言っていたのに」と驚きを隠せない。また別の一人は「まちづくりの観点からも、もっと対話したかった」と残念がりつつ、「決まったものは仕方ない。今後具体的に話し合えれば」とした。
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