改元という歴史的な一年となった昨年。横浜市全体で人口のピークを超え、いよいよ減少時代に突入する中、今後も増加が見込まれている鶴見区。年頭にあたり森健二区長にインタビューを行った。森区長は、防災や防犯、子育てに健康といった多様化する課題への対応が必要との認識を示すなど、今後の展望を語った。 (聞き手/本紙・浜田貴也)
改めての防災対策
――昨年を振り返り、鶴見区のトピックを。
「令和元年となった昨年、特に印象に残っているのは、9月から10月にかけて東日本全体を襲った台風被害です。
なかでも10月の台風19号接近の際は、多摩川が氾濫危険水位を超えたため、区内5万1千世帯、10万人を超える区民を対象に避難勧告を発令いたしました。
越水がいつ起きてもおかしくない計画高水位を50センチも越え、もし氾濫していた場合、区民の皆様の安全を守る準備は万全だったのか、区役所として自らに問う必要があると感じています。今回の台風対応をしっかりと振り返り、今後の確かな防災対策につなげていきたいと考えています。
また、4月には大黒ふ頭客船ターミナルが完成しました。区では、超大型客船の寄港を海外観光客への鶴見区の魅力発信の契機と捉え、区内の観光スポットの紹介などについてイベントを実施しました。今年も多くの客船が大黒ふ頭に寄港すると聞いていますので、今後も引き続き、区民や来街者の皆様にも楽しんでいただけるよう、客船寄港を捉えた賑わいづくりの取組を実施していきたいと思います」
区民らと協力不可欠
――鶴見区は今後も人口増加が見込まれます。まちの課題や解決に向けた取組は。
「人口減少や超高齢社会が本格化する中、鶴見区では、高齢化が進みながらも、今年も若い世代を中心に人口の増加が続く見込みです。
このような状況の中で、まちの課題はますます多様化していくと考えられます。課題の解決には、区民の皆様や事業者の皆様との協働が大変重要です。
防災・防犯といった地域力の強化、子育て環境の充実や高齢者の方への支援、区民の皆様の健康づくりなど、子どもから大人まで安心・元気に暮らせるまちづくりに引き続き取り組みます。
また、昨年の法改正に伴い、鶴見区に在住の外国人も今後増加することが見込まれています。外国人の方への支援はもちろん、日本人の方への支援も両輪で行うことで、外国人も日本人も安心して地域で共生できる多文化共生のまちづくりも進めていきます」
――東京五輪・パラリンピックイヤーです。区としては、この機会をどう捉え、また活用していくのでしょうか。
「昨年開催されたラグビーワールドカップ2019日本大会は、海外からお越しの方や、大会を機に関心を持った皆様を含め、多くの方々で連日大変な賑わいとなりました。今年も世界的スポーツイベントの開催により、国内外から多くのお客様が横浜を訪れることになります。
さらに、昨年4月に完成した大黒ふ頭客船ターミナルには、今年も多くの大型客船が訪れる予定ですので、これを鶴見区のさらなる魅力発信の契機と捉え、羽田空港や都心に近い優位な立地を積極的に活用し、来街者が触れ合い、楽しめる産業観光の取組を進め、活力があり、魅力にあふれる鶴見区を目指していきたいと考えています」
――最後に、区民へのメッセージを。
「今年は新たな鶴見区版の『都市計画マスタープラン』を策定し、20年後の鶴見区の望ましい将来像に向けて取組を進める最初の年になります。
鶴見で暮らし、働き、学び、集い、活動する、誰もが、”いつまでも住み続けたくなるまち”を目指し、鶴見のまちの特性を生かした区政を進めていきたいと思います。
これからも区民の皆様とともに、鶴見区を一層元気で、魅力あふれるまちにしていく決意です。今年も変わらぬご支援、ご協力をよろしくお願いいたします」
![]() 大黒ふ頭の客船ターミナル
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