横浜市が昨年11月に開設した「横浜市空家の総合案内窓口」。他市の同様の取り組みと比べても多い12の専門家団体との橋渡し役として空き家相談の「入口」を担うが、開設から2カ月半での相談件数は23件にとどまる。
窓口があるのはそごう横浜店9階の「住まいるイン」(運営・市住宅供給公社)。電話(【電話】045・451・7762)でも受け付けている。
これは、市が昨年策定した「第2期空家等対策計画」に基づくもの。計画では空き家所有者の相続問題や流通・活用ノウハウの不足等の解消のため、専門家団体と連携した相談体制強化が必要と位置付ける。
宅建協会や土地家屋調査士会、税理士会など市が協定を結ぶ12団体には独自の相談窓口があるが、同事業は建物所有者などからの相談に対し適切な専門家を紹介。筋道を最適化することで、管理不全に陥ってしまう空き家の抑制を図るのが目的だ。市住宅政策課によると「相続した遠方の空き家をどうすれば良いか」「空家の税控除の申請方法は」などの相談が寄せられているという。
他自治体でも同様の取組みはあるが、12団体との提携は比較的多いという。提携団体のひとつ、全日本不動産協会横浜支部の担当者は「窓口に現場の様々なノウハウが蓄積されれば、今後の空き家対策にも活きてくるのでは」と期待を寄せる。
「もっと来てほしい」
一方で、開設から1月末までの相談件数は窓口対応、電話を含めて23件。年末年始を挟むとはいえ、市住宅政策課では年間相談件数をおよそ200件と想定。2カ月半を経過しての利用者は想定の5割強で「もっと来てほしい」というのが正直なところだ。区役所に冊子を配架するなど周知を図っているものの窓口での案内表示などもまだなく、認知度に課題があるのが現状だ。
総務省が5年ごとに調査する「住宅・土地統計調査」によると、2018年時点で横浜市内の空き家は17万8300戸。今後人口減少に伴い空き家増が予想される中、支援策をいかに届けられるかが課題となっている。
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