市場西中町の住民らから成る「鶴見区市場西中町まちづくり協議会」(森田洋司会長)がこのほど、第24回防災まちづくり大賞表彰式で総務大臣賞を受賞した。関係者らは「大好きな町を、住み続けたいと思える町にしたい気持ちが受賞につながった」と喜ぶ。
防災まちづくり大賞は、消防庁が主催。地域に根ざした団体・組織などの防災に関する優れた取組などを表彰することで災害に強いまちづくり推進に寄与することを目的としている。
防災対策に関するハード、ソフト的な取組、普及啓発、住宅防火対策を行っているなど5項目をクリアした団体が対象。今年は全国から120の推薦、応募があり、19団体が選ばれた。総務大臣賞は、特に優秀な3団体に贈られるものでその中でも同協議会は一番高い評価を受けた。
狭い道路など課題
市場西中町は、旧東海道が通る世帯数約750の町。救急車の入りづらい4m以下の狭あい道路や行き止まり路地などが多く、耐震基準を満たしていない木造住宅も多くあった。2003年に「防災上課題のある密集市街地」として指定を受けたことをきっかけに、災害に強いまちづくりに着手。04年には協議会を立ち上げ、07年に「防災まちづくり計画」を策定。市の支援も受けながら課題を解決してきた。
地道に解決
ハード面では古い建築物の建て替えを実施したほか、道幅拡幅や私道の舗装化を実現してきた。
災害時、どの家も2方向避難路が確保されるように避難路マップとルートを策定。行き止まりカ所のフェンスには避難用扉を設けた。
ソフト面では、町内の防災公園でスタンドパイプを使った防災訓練を毎年実施。また、2カ月に一度「まちづくり協議会ニュース」を発行し「災害」などをテーマにした川柳を募集。住民参加型にすることで啓発を促している。こういった長年の取組が評価され、受賞に至った。
「法律の規制や町民の同意など、取組は簡単ではなかった」と熊谷起一事務局長は振り返る。道幅拡幅の際には、道沿いの住宅、一軒一軒説明に回ったこともあった。森田会長は「皆の協力があったからこそ。日本で一番の町にしたい」と意気込む。
今後は、更なる道路拡張や無電柱化、旧東海道への歩道設置を行っていきたいという。
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