鶴見国際交流ラウンジの館長に就任した 小林 貞幸さん 鶴見中央在勤 68歳
多文化共生へ、経験活かす
○…多文化共生の町づくりを進めるため、外国語での生活相談などを行う鶴見国際交流ラウンジ。4月に館長に就任した。就任直後は休館していたラウンジだが、学生スタッフの力を借りるなど、電話での相談は休むことなく続けていた。現在は人数制限などをしながら運営。「ここは外国につながる人たちのセーフティネットとしての役割もある。どんな状況下でも、様々なニーズに応えられるよう対応していきたい」
○…長野県出身。18歳の時に横浜に来た。ものづくりに携わりたいと、長年電気・通信機器メーカーに勤め、定年後、社会とのつながりを求めて同ラウンジの運営母体である(公財)横浜市国際交流協会で働き始めた。きっかけは、アメリカで過ごした4年半の駐在経験が活かせると思ったから。実際にマイノリティとして生活し、利害を離れた他人同士の関係の難しさを痛感した。その中で気づいたのは、人間対人間の付き合いであることは変わらないということ。「”外国人”ではなくて、一人の同じ人間として、誠意を持って接することが大切」
○…大のサッカー好き。J1の鹿島アントラーズを応援。自身も高校の頃からプレーし、社会人になっても続けた。忘れられないのは、日本が初めてワールドカップに出場したフランスでの試合を会社を休んで見に行ったこと。「今でも感慨深い思い出だよ」
○…「外国につながる人たちがお客様扱いされるのではなく、地域の一員として活躍できるようになるといい」。子育てを通じたネットワークの構築や交流事業の充実など、新たな方向性も検討中だ。「そのためにも、まずは立ち寄りやすく使いやすい施設に」。自身の海外での経験を、鶴見で活かしていく。