鶴見火災予防協会の会長として、区内の防火・防災に尽力する 山本 龍行さん 下野谷町在住 70歳
目ざす、火のない鶴見
○…鶴見区内約230の企業や個人などが加盟する鶴見火災予防協会。前会長から直接依頼を受けた。「直に頼まれたら断れない」。そう苦笑するが、「火災のない安心・安全な鶴見にするのが使命」と、穏やかな瞳の奥に意気込みをにじませる。コロナ禍、総会もままならないほどの異常事態。「何もしないで一年過ごすわけにいかない」。研修会のためのパンフレット作りなど、出来る形を模索する。
○…生まれてすぐ0歳で鶴見に。「ほとんど鶴見生まれみたいなもの」と笑う。大正時代に祖父母が受け継いだ下野谷町の銭湯「澤の湯」で育った。高校時代から手伝いはじめ、1977年、3代目として家業を継いだ。風呂を沸かす燃料は、京浜工業地帯などで出た廃材。届け出などは消防の管轄のため、つながりは深かった。消防団としても30年ほど活躍。「昔は放火も多かった。火事の現場で放水もやったよ」と振り返る。
○…横浜市浴場協同組合の相談役を務めるなど、肩書も多い中、お酒をたしなむのが息抜き。週に1回は妻と2人で飲みに行く。「女房は飲まないんだけど。ついてくるんだよ」とおどける。だが、時はコロナ禍。「どこかでうつって休業になったら大変。動かさないと機械がすぐ錆びちゃうから」。自粛しつつ晩酌を楽しむ日々だ。
○…地元の銭湯から大企業までが、防火・防災のもとに集まる組織。「会員の幅広さは大きな力」と評する。互いの利益のため、区民のため、まずは仲良くすることが必要と説く。「消防署とも一緒に、コロナも一丸で乗り越えたい」。協会にとっても、初めての経験ばかりの状況。それでも、向かう道は変わらない。火災のない鶴見。先頭に立ち、湧き出る思いをまとめ上げる。
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