区内で食品ロスを減らすためのフードドライブが盛り上がっている。3カ月ほど前から始まった区役所の常設箱では約145kgの食品を回収。民間店舗など寄付できる場所も増えている。関係者らは「フードドライブが当たり前の社会になれば」と意気込む。
横浜市の家庭から出される燃やすごみには、何も手が付けられず廃棄された「手つかず食品」が年間2万トンも含まれるという。
こういった食品ロスを減らすため、横浜市では、各家庭で使いきれない未使用食品を持ち寄り、福祉団体や施設へ寄付するフードドライブを推進している。
鶴見区役所では今年7月に回収箱を常設、横浜市資源循環局鶴見事務所=小野町=でも窓口で受け付けを開始した。その後、3カ月間で560点、約145kgの食品が集まり、担当者は「予想以上に集まった」と嬉しい悲鳴を上げる。
食品スーパーも常設
区内で食品を寄付できる場所も増えており、生活協同組合ユーコープミアクチーナ末吉店、イトーヨーカドー鶴見店=鶴見中央=が回収箱を常設。ユーコープ岸谷店、馬場店では10月末まで期間限定で食品の受け付けを開始した。
10月のリデュース、リユース、リサイクル推進月間に伴い、区役所と資源循環局鶴見事務所、ユーコープ各店では10月中、食品を持ち込んだ人に啓発物品を渡すキャンペーンも実施している。
周知に課題
ユーコープが回収箱の常設を開始したのは2018年から。現在98店舗中、23店舗が取組を開始している。
ユーコープ末吉店は、昨年5月から常設を始めたが、月に10点ほどと、思うように食品が集まっていなかった。そこで、このほど鶴見区役所と協力。10月5日には、同店舗で食品を持ち込んだ人にマイボトルを贈呈するイベントを実施。レジでチラシを渡すなど、地道なPRが効いてか1日で35点、約6kgの食品が集まった。
同店の平田貴久店長は、「一番の課題は周知。コロナ禍でできないことも多いが、区とも協力することで多くの人に知ってもらえれば」と期待した。
全店舗で
イトーヨーカドーを経営するセブン&アイグループは、2012年に民間企業と自治体が協力しながら地域の課題解決に取り組む「包括連携協定」を横浜市と締結。これまで市内全店舗でフードドライブを行ってきた。鶴見店ではコロナ禍で食の支援を必要とする個人、家庭が増えていることから8月に常設受付を開始している。
区役所では、さらに区内での回収場所を増やそうと、フードドライブに協力してくれる自治会や団体を募集している。
会館や自宅に箱を設置するなど、集め方や時期は各団体の状況に合わせて自由に決めることができ、集めた食品は区役所と資源循環局鶴見事務所が回収。チラシなど、周知のための支援もある。
モデルケースとして、期間は11月末まで。それ以降も支援内容に変更はあるが、相談を受け付けている。
区の担当者は、「区役所や、資源循環局鶴見事務所だけでは、寄付したくても遠いという人が多い。拠点が多くできるといい。一度スムーズに寄付できる流れができれば、もっと気軽に、当たり前になるはず。ぜひ協力を」と呼びかける。
問い合わせは鶴見区地域振興課資源化推進担当【電話】045・510・1689。
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