大蛇を担いで町中を練り歩く「蛇も蚊も祭り」が6月5日、生麦の本宮地区と原地区で行われた。ともにコロナ禍で縮小開催となったが、本宮では、地元保存会によって「蛇も蚊も発祥の地」の石碑が道念稲荷神社前に設置され、祭りに先駆けて除幕式が行われた。
蛇も蚊もは、疫病退散や豊年大漁などの祈りを込め、大蛇を担ぎ家々を練り歩く祭事。約350年前から伝わる生麦の伝統行事で、以前は本宮・原地区が合同で行っていたが、戦前から別々に。両地区とも1992年に横浜市無形民俗文化財に指定された。
今回の石碑は、コロナ禍で2年間中止になった伝統行事を改めて「後世に伝えていきたい」と設置したもの。同地区保存会の1人で、生麦第一地区連合会地域活性化文化伝承会の内田壽男会長は「先人が建てた石碑が境内にもあるが、鳥居の入口に設置することで、この地を訪れた人たちに改めて発祥の地を知ってもらえたら」と話した。
当日は、除幕式や神事が行われたあとに大人たちが大蛇を担ぎ、近隣を練り歩いた。例年は3頭の蛇を作るが、今年はコロナ禍で1頭に。子どもたちの担ぎも中止したが、同保存会の石川建治会長は「作り手の高齢化など、蛇を作る技法を継承するため、1頭ではあるが、開催できて良かった。これからも伝統行事を守るため、皆で協力していきたい」と語った。
原地区でも朝から萱編み
原地区の神明社でも、地元5町会の住民たちが早朝から萱を編んで蛇を作った。例年は2頭の蛇を作るが、今年は1頭のみ。長さも約半分の10mとした。制作時には、編み方を知る人が若い人に丁寧に説明する姿も見られた。作り終えたあとに神事が行われ、その後は大人たちが蛇を担ぎ、境内を回った。
同地区蛇も蚊も保存会の高橋英之進会長は「雨乞いや厄除けなど、地域にとって大切な伝統行事。3年ぶりの開催となったが、5町会の皆で協力して続けていくことが大事。来年からは本来の形で出来ることを願い、この伝統を地域の子どもたちに伝えていきたい」と語った。
![]() 蛇を担ぎ、地区を回った(本宮)
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![]() 蛇を作る原地区の住民たち
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