魅せます!鶴見のものづくり企業【10】 変種変量の板金加工 尻手 鶴盛工業株式会社
大型観光バスやトラックの車体部品のほか、救急車や警察車両など特殊車両部品の製造を主に、近年駅ホームで見る稼働柵やゲームセンターの筐体など、物づくりには欠かせない板金部品を製造する同社。
3代目の松本克仁代表取締役は「物づくりの原点にもなる板金業で、実は普段から皆さんが目にしている物にもよく使われています」と話す。
決断で転機が
同社は1955年1月に先代の父を含む3人の従業員から始まり、手作業のたたき板金で精密部品を作っていた。その中で高度経済成長期を迎え、それまでの技術を活かし現在の多岐にわたる製造の基盤が作られた。
2002年に同社の売上の70%を占める日野車体工業(現ジェイ・バス(株))が鶴見の地から石川県に全面移転し、「ついていかなければ会社が成り立たない」との判断で現在の横浜工場を残して一部の移転を決意。この決断が取引先企業の増加に繋がる大きな転機となり、現在の様々なものづくりに繋がっている。20年1月には現在の神奈川工場(綾瀬市)を竣工し、さらなる事業の拡大を進めている。
業務では、溶接部門の社員がプログラム業務を行うことができるなど、柔軟な考えで世の中の動きに対応。「製作過程はプログラムを使って機械化しているが、最後には人の手を加えることで応用が利き、急な変更にも対応できることが強み」と松本社長は力強く語る。
鶴見を盛り上げる
「鶴見のまちとともに盛り上がる」をキャッチコピーに活動を続ける同社。地元の学生向けに会社見学会も行い、「板金ってなんだろう」の疑問に答える一役も担う。
「周囲の環境は変わっていくが、今後もメタル加工のトータルプランナーとして幅広い顧客のニーズに応えられるように、この鶴見の地で繁栄していきたい」
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