今年創立60周年を迎えた「神奈川県家具協同組合」の理事長を務める 神谷 光信さん 神奈川区在勤 87歳
世のため人のため
○…県家具組合の理事長を務めてから22年。家具産地ではない上、他県より生産コストが高くならざるを得ない県内の状況を踏まえ「注文家具など地域の特性にあわせ、付加価値を付けた商売をしていかなければいけない」と考える。現在加盟企業は40社。「組合から積極的に情報提供を行い、経営体制をサポートしていきたい」と話す。
○…西区藤棚町生まれ。戦時中に父が木工所を立ち上げた。戦火の激しくなった1944年、学童疎開で国民学校の仲間たちと湯河原へ。数カ月間、神社で寝起きしたが「とにかく食べるものがない。ひどい空腹で家が恋しくなり横浜へ帰ってきた」。そして一家で移り住んだ神奈川区で、横浜大空襲に見舞われた。「父からどぶ川に飛び込むよう指示され、何とか生き延びられた」
○…中学校時代は小遣いのほとんどが本に消えたという本の虫。特に好んで繰り返し読んだ池波正太郎作品をはじめ、現在鎌倉山にある自宅の蔵書は1千冊以上に。横浜翠嵐高時代はサッカー部の練習後に、柔道場で汗を流すのが日課。体格がよく体力には自信があったが「エネルギーが有り余ってたんだね」と笑う。立教大入学後すぐ父から言い渡され「毎日会社で時々大学」の生活。それでも持ち前の精神力で、留年せずに卒業。在学中に「人生初の一目惚れ」を経験し、大学4年で結婚した。
○…現在は住宅関連産業とテナントビル業を柱とし「大切なのは顧客満足度をどれだけ高められるか。社会に役立つ企業であり続けたい」と力説する。20以上にもなる団体組織で会長や役員を引き受けているのも、同じく「世のため人のため」という思いから。元気の秘訣を問うと「美味しいものを食べること」と笑顔を見せた。
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