横浜市の認知症予防最前線 市政報告みちよレポ【20】 これからの認知症予防に期待 横浜市会議員(自民党)東みちよ
認知症治療薬の治験成功--そんなニュースが9月にありました。国内の製薬会社、エーザイが1795人の早期アルツハイマー病当事者を対象にしたグローバルな治験を行い、有意な悪化抑制が示されたというものです(エーザイ9/28記者発表資料)。資料によればまもなく学会で発表され、治療薬の承認申請を目指すとのこと。治療薬といっても進行を遅らせることができるというものですが、もし承認されれば、ご家族の介護を心配される方や、高齢者の皆さんにも朗報です。
私は以前から認知症予防の市の政策に取り組み、令和2年の決算特別委員会では市の脳卒中神経脊椎センター病院長から「研究機関として治験に取組む」と強い意思を伺いました。そこで本治験に参加している同病院の秋山治彦医師にこの成果の意義を伺いました。
「これまでも同様の研究は行われてきましたが、今回の治験では明らかな悪化抑制の有意性が評価されたことで、アルツハイマー病発症の原因物質の一つが特定されたのは意義あることです。今後さまざまな研究が進むことに期待します」
また世界規模の治験に参加することで「画像診断技術、検査方法など認知症の治療全体が大きく進展する」とのこと。ただし治療薬といっても現時点では早期段階の患者さんが対象です。
鶴見薬剤師会の阿部正隆会長は「認知症対策では早期発見が大切です。早期発見で治療薬の選択肢が得られるかもしれないのです。そのためにはご家族や周囲の方々の気づきも必要です。かかりつけ薬局でも、ふとした会話から気づき受診を促すこともあります」
横浜市では早期発見のため「もの忘れ検診」を無料で実施しており、今年度から各区で通年検診できるようになりました。また専門医療機関では、もの忘れドックや物忘れ外来なども設置されています。
いまや認知症は高齢者の5人に一人がなる時代、恐れず気軽に検診し、地域のつながりを大切に、互いに助け合う気持ちを持つことが皆さんの生活の質の維持につながると願っています。
「もの忘れ検診」問い合わせ/鶴見区高齢・障害支援課【電話】045・510・1775
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