魅せます!鶴見のものづくり企業【13】 さらなる技術の進化を求めて 安善町 東亜鉄工株式会社
大型の土木構造物を製作する鉄工事業や船舶の修繕、作業船の建造などを行う同社。
敷地は東京ドームが収まるほどの面積があり、3つの工場や引揚船台、そして船舶の建造や修繕などを行う「乾ドック」などが整備されている。工場では船舶修繕に伴うエンジンや諸機械の分解整備、鋼製ケーシングの製作などが行われ、特化した構造物の製作にも取り組んでいる。
特に中規模の「乾ドック」は県内でも2カ所しかない設備で、全長104・4m、幅11・5mと中型までの船舶を入れることができ、毎年50隻ほどの船の修繕や建造などを請け負っている。
同社の敷地内には、創業者であり「京浜工業地帯開発の父」とも呼ばれる浅野総一郎氏の銅像が建てられている。
浅野氏が親会社の東亜建設工業(株)の前身となる鶴見埋立組合を創業。1920年に全長74mの乾ドックの建造に着手したことで、同社の礎が築かれた。
そして、78年に親会社の「造船」「船舶修理」「鉄工」の部門が法人化され、東亜鉄工(株)として正式に分離独立した。
挑戦し技術力を確かに
創業からしばらくは親会社からの受注が中心だったが、転機が訪れた。製作する会社が減少している海洋調査用のやぐらなどの構造物製作の依頼を受け、良い製品を作り上げたことで、徐々に技術が認められるようになっていった。金子社長は「今の技術力では難しいとされながらも挑戦したことで基盤もできた。やぐらの東亜鉄工と呼ばれていた時もある」と胸を張る。
さらに近年では、適切に施工管理、安全管理が行われていることが評価され、国土交通省から表彰も受けるなど着実に実績を重ねている。同社は海に面しているため、製品を直接届けることができる強みを最大限生かして製作を続けている。
鶴見に工場を構え、創業から47年目。船のEV化やカーボンニュートラルなど取り巻く環境が変化する中、50周年に向けて金子さんは「様々な構造物の製作に携わり、技術力を高め、これからの産業を支えるられるよう進化していきたい。鶴見に凄い会社があることを示すことができれば」と思いを語った。
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