2月26日から岩手県大船渡市で続いた大規模な山林火災で、横浜市の緊急消防援助隊として派遣された鶴見消防署入船出張所の隊員5人が帰還した。現地では、急な山の斜面での消火活動や昼夜問わず警戒活動にあたった隊員たち。「改めて自然災害の脅威と人間の無力さを痛感した」と語る隊員に話を聞いた。
大船渡市の山林火災は2月26日に発生し、3月9日に「鎮圧」が宣言されたものの、まだ残り火などがあり、21日現在でも「鎮火」は宣言されていない。約2900ヘクタールが焼損し、平成以降で国内最大規模となっている。
今回、入船出張所から派遣されたのは消防司令の菊地誠さん=写真左=や消防士長の齋藤幸大さん=同右=ら5人。総務省消防庁から県を通じた要請を受けて編成された横浜市の緊急消防援助隊の第1次派遣隊26隊111人の一員として派遣された。
5人は3月3日の朝に横浜を出発して深夜1時過ぎに宮城県気仙沼市の宿営地に到着。被害状況などの説明を受け、翌朝5時から活動を始めた。
現地では水を入れて10kg以上になる消火水のうを背負って焼けた山の尾根を歩きながら消火活動にあたったほか、山林近くの住宅に火が延焼しないように昼夜を問わず警戒活動などにあたった。「現地では消火栓が使えず、水源を確保することが大変でした。また、山林では火が消えたように見えても火種がくすぶっている場合もあり、完全に消さないとまた出火するので、一つひとつ注意しながら消火して回りました」と齋藤さん。
隊員たちは8日に帰浜。現地では消防車の給油中に地元の小学生から「ありがとうございます」と声をかけられるなど、多くの住民から感謝の言葉を受けた。「避難している方々が一日でも早く帰宅できるよう任務にあたった。もっと早く駆け付けていれば消し止められた家もあったのではと思うと辛かった」と胸の内を明かす菊地さん。「改めて自然災害の脅威と人間の無力さを感じた。火災はいつ起こるか分からない。ぜひ鶴見の皆様にも改めて防火への意識を高めてもらえたら」と呼び掛けた。
![]() 山林での消火活動の様子=提供
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