日本桜の名所100選の象徴的な存在として、長年親しまれてきた県立三ツ池公園内の花の広場にある紅枝垂桜が、このほど枯れ死と判断され、8月1日に伐採された。根の腐朽が一つの要因とみられている。今後、原因究明を進めつつ、再整備についてもボランティアら地域住民と協議していくという。
同広場の紅枝垂桜は、推定樹齢60〜80年の老木。見晴らしのいい広い空間にあったため、絶好の花見スポットとして長らく来園者に親しまれてきた。
しかし、3年ほど前から衰弱がみられるようになり、同公園の職員らが土を入れ替えるなど容態を見守ってきた。
異変が顕著になったのは今年の3月。「葉の出方がおかしい。今年は遅いなと思った」と萩原哲副所長は振り返る。
不安は的中。春の満開期を迎えても花開くことはなかった。やがて樹木にキノコや苔が観察され、6月26日に樹木医が枯れ死と判断。倒木の危険性を考慮し、安全確保のため伐採されることとなった。
樹木医の松本幸治さんは「これまでの処置は一時的に活性化する効果はあったが、根の腐朽が限界まできていたため、徐々に衰退していった」と分析している。
市民から惜しむ声
この紅枝垂桜は、日本桜の名所100選に選ばれている同公園の中でも、立地の良さから象徴的な存在となっていたために、職員も心を痛めている。萩原副所長は「拓けた場所でシンボルとなっていただけに、本当に残念」と別れを惜しむ。
花の広場には「小さくてもいいから桜を植えて」との声が寄せられているという。北野勝二所長は「原因を分析し、ボランティアや地域住民と協議しながら今後について検討する。いい場所だからシンボリックなことができれば」と話す。
今後は10月18日(土)に同公園で開催される、ボランティアらと公園管理者の協議会「県立三ツ池公園との楽しいおつきあい企画会議」でも意見を募るという。
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