鶴見大学図書館が今年度、県立図書館と協働で、県内小学生向けの貴重書体験授業を展開している。2月26日には、矢向小学校の5年生を対象に実施。国内外の古典本を体感し、知性や感性を育てることなどを目的としており、関係者は「読書活動の推進策などとして全国に波及させられれば」と期待をこめる。
両館が進める授業は、神奈川県大学発政策提案制度として採択されたプログラムをもとに行っているもの。小学生が日本と世界の古典本に触れ、知性や感性を育てるためのプログラムで、教材として開発することも提案している。昨年6月、戸部小学校(西区)で初めて実施され、7月には鶴見大学に豊岡小児童を招いて開かれた。
貴重書に感嘆
矢向小では、鎌倉時代の法律・『御成敗式目』や日本初の西洋医学書『解体新書』など、両館が所蔵する国内外の貴重書約200点が並んだ。
参加した5年生103人は、スタッフの説明を聞きながら貴重な本の数々を体感。和紙やのりを使い、昔の日本の本作りも体験した。児童たちは「ずっと前から字が使われていたことに驚いた」などと感想を話していた。
全国へ波及目ざす
鶴見大学文学部の中川博夫教授は、「世界的に見て、古い本が残っているのは珍しい。日本の文化だからこそできること」と説明する。
この授業は来年度も継続予定。関係者らは、このプログラムを構築することで、小学生の伝統文化への意識向上はもちろん、教員の指導の一助、図書館連携にもつながるとし、県内から全国に広げていきたい考えを示している。
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