(株)小山組=駒岡=の小山和雄代表取締役(82)がこのほど、「現代の名工」として厚生労働省から表彰を受けた。とび職人の小山さんは、建物を解体することなく移動させる曳家工事の第一人者。鶴見鳶職組合の組合長を歴任し後生の育成に努め、業界の発展に長らく貢献してきことなどが評価された。
現代の名工の表彰制度は、卓越した技能を持ち産業の発展に貢献した人を毎年厚労省が表彰するもの。今年は全国の職人150人、県内からは10人が表彰され、小山さんは区内唯一の受賞となった。
小山さんは、区画整備や文化財保存などにおいて、建物を解体することなく持ち上げて移動させる曳家工事の第一人者。20歳でとび職に就き、10年前まで鶴見鳶職組合の組合長を約20年間勤め上げた。60余年にわたり今なお現役として働き続けている。
曳家工事は、建物のバランスを崩さないよう重心位置を見極める必要があるため、「見た瞬間にわからなければいけない」と、わずかなずれも見逃さない眼力と判断力が必要となる。環状二号線が整備される際、約4mだった道幅を広げるため家屋を曳家工事で移動させるなど、業界の最前列で活躍を続けてきた。
名誉ある受賞に「当たり前のことをやってきただけ」と謙遜する小山さん。「管轄現場で大けがの人を出さずにできてよかった。このような賞をいただけるのはありがたいこと」と安堵の表情を浮かべていた。
町会活動にも大臣表彰
11月25日には長年にわたる町会長活動に対しての総務大臣表彰が行われ、小山さんは駒岡下町会会長として、横浜市で唯一受賞した。区内では小野町自治会の佐藤信男会長以来、4年ぶりの受賞となった。
この表彰は、自治会などの代表者として15年以上活動し、顕著な功績を修めた人に贈られる。自治体ごとに推薦人数が限られているため、資格保有者全員が表彰されることはない。今年は全国から72人が受賞。小山さんは31年間、同会会長として地域に貢献を続けてきたことが評価された。
とび職で培った仕事の段取り方法など、自治会活動で活かされている点は多々ある。「上が先頭に立ってやると、後ろもついてきてくれる」。ごみの回収や設営など、他人が避けたがることは率先して取組む。手際よくイベントの準備をする姿を見た地域住民から驚かれることも。「何の仕事をしていたか、今は知らない人が多いかも」と笑う。
表彰を受け小山さんは「自分個人が表彰されるより、地域が評価されたのは嬉しい。鶴見がよくなれば市全体がよくなる」とますますの飛躍を心に期した。
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