横浜市が優れた地域まちづくりに功績のあった活動や、都市景観の創造・保全に寄与する建築物などを隔年で表彰する「横浜人まちデザイン賞」の9回目となる表彰式が5月9日、市長公舎で開かれ、区内から3対象が選ばれた。
表彰は、まちづくり活動の主体となる団体・支援した個人を評価する「地域まちづくり部門」と、まちなみや建築物等で、おおむね10年以内に造られたものや、歴史的建造物など再生されたものを対象とする「まちなみ景観部門」の2部門。
25件が集まったまちづくり部門では6件が受賞し、区内からは鶴見「みどりのルート1」をつくる会、鶴見区市場西中町まちづくり協議会の2つが表彰を受けた。89件の応募があったまちなみ景観部門は7件が選ばれ、キリンビール(株)横浜工場による横浜北線の高架下緑地が受賞した。
緑化の意識向上
鶴見「みどりのルート1」を作る会(高田房枝会長)は、国道1号線沿いの緑化活動を7年前から開始した。住民と事業者がお互いの立場を超えて協働し、駐車場や学校の壁面緑化など、現在までに計15カ所を整備。活動は、小中学校の総合学習授業や、緑化地域清掃などにまで広がっている。
住民のみではなく、沿線の事業所や店舗、学校などを巻き込んでいる点、また、長年の活動が地域住民や事業所の意識向上につながる機会となっている点が高く評価された。
高田会長は、「『住んで良かったまち鶴見・愛着度No.1』を目指して活動してきた。各受賞者の取り組みを知り、横浜の魅力を引き出そうとしている仲間が沢山いることが分かり、心強く、嬉しく思った。互いに情報共有し、更に活動を充実させていきたい」と話した。
住み続けたい町に
市場西中町まちづくり協議会(森田洋司会長)は、同地域が2003年、市から防災上課題のある密集住宅市街地として認定されたことをきっかけに活動を始めた。地域が一体となり、粘り強く地権者などに働きかけることで道路拡張、防災用具を備えた公園整備など、多くの成果を上げている。
防災に対する危機意識を町全体で共有し、対策強化を実現、また「まちづくり川柳」の募集などを通じて、幅広い世代の交流を図り、将来的に住み続けたいと思うまちづくりの継続を目指している点が高い評価を受けた。
同協議会は「まちづくりは長い時間がかかるもの。途中で断念せず地道にやってきた成果だと思う。これからも楽しく、気持ちよく、仲良くをモットーに活動していけたら」と話した。
貴重な地域のオアシス
「横浜北線及び岸谷生麦線高架下緑地」は、キリンビール横浜工場が2017年に整備。維持管理を行っている。
北線建設にあたり、工場敷地を市に売却したため、工場立地法で定められる緑地面積率が不足。補うため市内で初めて敷地外緑地制度を活用して緑地化された土地だ。
もともとの工場内の緑地を加え、約1Kmに及ぶ散策路を形成し、地域に開放する工業地帯の貴重な憩いの場であることなどが評価された。
高架下には日陰に耐性のある植物を選定。景観は、生麦事件碑などの歴史と緑の融合を意識しているという。
近隣保育園の遊び場など、地域にも活用されており、同工場は「今後もより有効な活用方法を地元とともに考え、地域に愛される工場を目ざしていきたい」と語った。
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