新型コロナウイルス感染拡大の長期化が懸念される中、注目されているのがコロナとともに生きる「withコロナ」という考え方だ。生活様式の変更に迫られる各業界の現状を聞いた。
地域に支えられ
鶴見中央の障害福祉サービス事業所ふれんど2号店は、弁当の製造や販売を行っている。下末吉の1号店と合わせて37人が利用している。
厚労省は緊急事態宣言中も、障害者施設等にサービス継続を求めた。家族が日中に支援できない場合があるからだ。
2号店は、営業を午前中のみにし、早朝と11時からのシフト制勤務を導入。勤務に関しては本人の意思を尊重した。出社も公共交通機関ではなく徒歩を推奨。必ず体温を計るなど工夫した。
在宅を希望する利用者には、ルーティーンを崩して家にいると出社が難しくなることも多いため、仕事への意欲を落とさないようスタッフは朝、昼、夕と欠かさず電話をした。
様々な工夫を凝らしても、スタッフが利用者の支援をする際の距離の近さは避けられない。感染防御資材は必要だったが、医療従事者のためにとまとめ買いはしなかった。見かねたボランティアからマスクなど資材の寄付を受け、今では一人ひとつフェイスシールドを保有できている。
長谷川典子施設長は「感染は怖いが、生活リズムを壊さないことも重要。こんな状況だが、周りの人たちの支えを実感する」と話した。
ここに来ると安心
高次脳機能障害などを持つ13人が通う地域活動支援センターふれんどーる絆=鶴見中央=では、チラシ封入などの請負作業や菓子の製造、販売を行っている。
販売会が中止になるなど影響は受けたが、ほとんどの利用者が休むことなく通っている。単身者も多く、消毒液や体温計といった資材が家にない利用者もいる。
竹越瑞枝所長は「ここがセーフティネットのようになっている人もいる」とし、利用者の一人は「感染したらと考えると怖いが、家にいるよりも、ここに来ると安心する」とこぼした。
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