パネル展「横浜鶴見の『沖縄芸能』今昔物語」を主催する 古里 友香さん 都内在住 49歳
沖縄芸能を世界へ届けたい
○…鶴見の地で独自の発展を遂げてきた「沖縄芸能」の歴史を伝えるパネル展をサルビアホールで主催。昨年夏に立ち上げた「鶴見歴民研究会」で続けてきた調査や研究成果の一部を写真やパネルと共に紹介する。「この地で大切に育まれてきた沖縄芸能を、ぜひ多くの方に知っていただけたら」と思いを語る。
○…大阪生まれ。嵯峨美術短期大学を卒業後、就職を機に東京へ。沖縄とは縁もゆかりも無く、20代の頃はグラフィックデザイナーとして編集の仕事に携わっていたが、たまたま旅行で訪れた沖縄の文化に一瞬で魅せられた。「独特の時間の流れや文化、そして民宿で聞いた沖縄三線の音色が素晴らしくて」。その場で関東で三線を習える場を尋ね、当時、横浜鶴見沖縄県人会の会長も務めていた大城康彦氏を紹介され、その門を叩いた。
○…師匠と慕う大城氏に師事して20年。2013年からは東京入谷で沖縄三線教室を主宰。三線だけでなく、舞踊やエイサーなど沖縄芸能が鶴見で独自の発展を遂げてきた歴史にも興味を持ち、コロナ禍で教室が開催できなくなったのを機に神奈川大学大学院の歴史民俗資料学研究科に入学。そして昨年夏には同大の小熊誠学長らと「鶴見歴民研究会」を発足させ、本格的に鶴見の沖縄芸能の調査を始めた。「私は沖縄や鶴見の出身ではない。でも、外の人間だからこそ気づき、伝えられることがあるはず」
○…三線との出会いが一変させた人生。その行動力に驚くが、「私なんて師匠に比べたら全然」とおどける。「師匠やお世話になった方々のおかげで今の私がある。その恩返しとして、沖縄の芸能を世界へ、そしていつか鶴見の沖縄芸能史を一冊の本にできたら」。三線の音色のような優しい笑顔で夢を語った。