横浜市は受動喫煙対策として公園条例を改正し、約2700の市立公園を禁煙にする方向性をまとめた。市は9月開会の市会定例会に改正議案を提出し、議決されれば2025年4月から禁煙に踏み切る。条例改正に関しては4月18日から5月31日までパブリックコメント(市民意見募集)を実施する。
現在、公園を含む屋外での喫煙は改正健康増進法により周囲に受動喫煙を生じさせないように配慮義務が課されている。喫煙自体は禁止ではなく喫煙者と非喫煙者が共存しているのが現状だ。
この状況を受け、市は公園内での受動喫煙を防ごうと昨秋に市内の公園5カ所で禁煙を試行。アンケート調査も実施したところ、何らかの受動喫煙対策を求める意見が多数あったという。そこで市は公園条例で定めている禁止行為11項目に「喫煙」を加えて明文化し、配慮義務ではなく、明確に「公園内禁煙」とする考え。市側は条例という根拠を持つことで分かりやすく周知できるようになると説明する。同じ政令市では相模原市が昨年10月から公園の原則禁煙化を開始し、川崎市は3月から一部で試行実施中だが、条例で公園内禁煙を定める事例は初となる。
現時点では紙巻たばこと加熱式たばこが対象で、条例が改正されると公園での喫煙は各種禁止行為と同様に5万円以下の過料となる。とは言え、現在まで禁止行為で過料に処された事例はないことや、公園数を考慮すれば過料に関する人員配置は現実的に難しいことから、市担当者は「過料の徴収が目的ではなく、受動喫煙の防止が目的」と強調。「公園内禁煙というルールを守ってもらえるように周知したい」と話す。
議決後、周知に尽力
今年度予算には条例改正を見越して公園内禁煙を周知する費用5千万円を計上。4月の条例施行後も違反者がいれば丁寧に注意を続けるとし、その上で禁煙の実効性が保てなければ過料に関し再度検討していく構えだ。
市は4月18日から行うパブリックコメントで喫煙者・非喫煙者含め幅広く意見を聞き、改正議案を検討するとしている。
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