「地元に昔からある避難道路の階段に手すりを付けてほしい」--寛政安善町内会のある住民の思いに、行政や議員、そして土地所有者のJFEエンジニアリング(株)=末広町=が動き、手すりを設置した上で同町会にその土地を譲渡する調印式が8月26日に行われた。
JR鶴見線安善駅と県立東部総合職業技術校の間にある住宅街。ここには、手前の県道と住宅街を結ぶ細い避難道路がいくつかある。そこに誰が設置したか不明だが昔から階段があり、地元住民にとっては大切な通り道だった。
そして、今回の発端は2019年。同町会に住む木内源さん(86)が「高齢になり、階段に手すりがあるとありがたい」と要望。調べてみると、元々この土地全体がJFEの所有だった場所で、住宅街になった現在もこの階段のある避難道路など8カ所だけがなぜかJFEの土地として残ってしまっていたことが分かった。
JFEとしてもこの土地の活用に困っていて、市道として横浜市に寄付することも検討したが、莫大な測量費がかかることなどが原因で断念。行政や町会と相談を重ねた結果、JFEが階段に手すりを設置した上で、同町会に該当の土地を無償で譲渡するということになった。調印式に出席した同社の澤井仁志さんは「地元のお役に立ち、有効活用していただけたらありがたい」と話した。
完成した手すりを使用した木内さんは「階段が上り下りしやすくなり、本当にありがたい」と感謝を述べ、同町会の木下好夫会長は「この階段は普段だけでなく災害時の避難路としても地元にとって大切な通り道。JFEの決断に感謝し、大切に使わせていただきます」と語った。
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