東日本大震災から5年が経過しようとする中、(一社)鶴見区医師会(原直会長)が災害医療体制をさらに充実させようと、取組を進めている。県から災害拠点病院の指定を受ける済生会横浜市東部病院=下末吉=を中心に、区内30機関が連携して今年1月に行われた災害医療訓練をきっかけに、先ごろ、新たに災害医療対策意見交換会を実施。課題解決へ動き始めている。
区医師会は鶴見区の防災計画をもとに、災害時、看護師や薬剤師などとともに医療救護隊を編成。鶴見中央の区休日急患診療所など、区内3拠点に参集し災害医療に協力するほか、可能な場合は「診療中」という黄色ののぼりを掲示した上で通常診療をするなどの取り決めがある。
大規模訓練契機に
今回、1月の災害医療訓練がこれまでよりも拡大したことを受け、区医師会では会員に事前アンケートを実施。「日中災害があったときにどの参集拠点に来られるか」などを聞いた上、訓練への参加者を募った。
当日は、各拠点に参集した開業医ら医師会員から、実際に訓練に参加して感じた意見や課題を抽出。それをもとに、第1回鶴見区医師会災害医療対策意見交換会を開いた。
平時から意識共有を
意見交換会には、医師会員17人に加え、1月の災害医療訓練の指揮を執った東部病院の山崎元靖医師や、薬剤師会、横浜市災害支援ナースなど計26人が参加。行政からも区職員2人が出席した。
会では「一般の会員は災害時に何をすればいいかわからない」「区内に住んでいない医師もいて、全員が参集できないこともある」といった災害時の体制などについての課題が噴出。平時から災害に対する意識の向上と、共有が必要だという声も上がった。
また、3拠点から医療救護隊が地域防災拠点を巡回するにあたり、現計画の設定エリアの偏りも指摘。区北西部で、豊岡から寺尾、末吉、駒岡方面までを一つとしており、「開業医が少ないのに、回る場所が一番多い」などと、見直すべきとの考えも示された。
原会長は「これが始まり。アイデアを生かし、区の防災のために色々と検討していきたい」と話した。
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