「歌う料理人」としてテレビやラジオにも登場している料理人の森野熊八さん(51)が10月26日、母校の横浜市立神橋小学校(垣崎授二校長)で保護者らを前に講演会を行った。「食育」をテーマに、一般的に語られている栄養学とは異なる「熊八流」の食育論を軽快な口調で語った。
今回の講演会は、今年度のPTA役員が森野さんと旧友だったことが縁で依頼。普段から小学校などでの講演を行っていることもあり、実現に至った。
まず、「魚を食べる時の正しい向き」など食に関するクイズや豆知識などで聴衆を引き付けた森野さん。徐々に話は核心に迫り、近年の社会的な健康観や栄養バランスに固執する風潮に対しての疑問を投げかけた。「摂取カロリーを調整するために出された料理を残す。それは違うと思います」。日々、食事制限を行い、そのために料理を残したり我慢することを否定。栄養は中長期的にバランスが取れていれば問題ないとし、「もっと気楽に食事を楽しんでほしい」と語る。
日本の年間食料廃棄量は、2千200万tという事実を紹介。自身が実際に見てきた他国の現状などを織り交ぜ、「もったいない精神」を大切にする「熊八流」の食育論を展開した。
質疑応答では、保護者からの「廃棄を減らすために冷蔵庫の中身を覚える方法は」との質問に「まずは在庫を減らすこと。できるだけこまめに買い物に行けば無駄は減る」と回答。食材を使い切ることを勧めた。
人生のルーツ六角橋商店街
座右の銘は「百聞は一食に如かず」という森野さん。小学生時代は教室に行く前に給食室に顔を出し、その日のメニューを確認するような子どもだった。当時、親に連れられて時折食べに行ったのが六角橋商店街の「キッチン友」。学生時代にもよく通い、「自分の中で洋食のルーツはあの店」と振り返っていた。
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