地域での環境保全・再生活動を積極的に行う市内企業や団体などを表彰する「横浜環境活動賞」企業の部大賞に、大口仲町の印刷会社・協進印刷(江森克治代表)が選ばれた。区内からは他に、石けん・化粧品などを製造する太陽油脂(中山悟代表)=守屋町=が同部門の実践賞を、市民団体「みどりと水を守り育てる 地域環境向上委員会」が市民の部の実践賞を受賞した。
協進印刷が環境活動に取り組み始めたのは15年前。当時は社内の電気使用量削減など自社でできることに取り組んでいたが、印刷資材から製造工程まですべての面で環境に配慮する印刷工場製品認定制度「グリーンプリンティング工場認定」を受けて環境マネジメントシステムを構築すると、10年ほど前から社外向けの環境活動にも力を入れるようになった。
受注生産で持続可能に
同社の取り組みは、環境のために自社で資金面の負担を負うのではなく、企業から受注したリユース製品を制作することで持続可能な仕組みづくりを確立している点が特徴だ。
例えば、印刷物を作る過程で商品には使用できない「損紙」が1回あたり1000枚ほど排出されるが、これらは通常古紙回収業者に引き取られて製紙工場で再生紙になる。同社では「損紙をそのまま製品にすることで、古紙運搬や溶解作業などで排出される二酸化炭素量を削減できるのでは」と考え、印刷物を制作した希望企業に呼び掛けて封筒やメモ帳に作り替え販売している。
この他にも、学校などの地域向けに環境保護を広めるためのセミナーを展開。昨年度は磯子区の汐見台小学校と連携し、海洋ごみ問題から地域調査を経てレジ袋削減を目指すためのエコバッグ製作を行うなど環境教育に貢献した。
受賞を受け同社社員は「一企業が環境活動に取り組むことに効果があるのかという見方もまだまだあるが、実際に行えばモチベーションが上がり、地域からの信頼も得られていいことばかり。これを契機に活動が広まれば」と話した。
2企業・団体実践賞を受賞
実践賞を受賞した太陽油脂は、環境に優しい石けん・化粧品などを製造する創業100年超の老舗企業。石けん教室などを通じ、環境や地域社会に配慮した購買促進に向けた啓発活動などが評価された。
地域環境向上委員会は、菅田町内を縦断する3Kmのバス通りにある各停留所に植栽を施し環境向上に努め、みどりの大切さの啓発と温かいまちづくりに励んでいる。
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