小中学生に1人1台の情報端末を配備する国の「GIGAスクール構想」に基づき、横浜市内でも端末の活用が始まった。神大寺小学校では、児童自身が端末を開封して設定などを行う「GIGA開き」を実施。ICT(情報通信技術)教育の推進に向けて初めの一歩を踏み出した。
「さあ、いよいよ皆さん一人一人にiPad(アイパッド)が配られます」--。4年生のクラスでは、担任の言葉に児童たちが歓声を上げた。5月31日と6月1日に同校で行われたGIGA開きでは、全児童にタブレット端末が手渡され、使用する際のルールや設定方法などを確認した。
端末を受け取った児童は箱の中から大事そうに取り出し、「すごい、iPadだ」「意外と重いね」と口にしながら専用のケースに収納。端末が学習を深めるための文具になる一方、使い方を間違えるといじめにもつながるため正しい利用方法を考えていくことを担任と約束し、学習支援アプリ「ロイロノート・スクール」の初期設定などを進めた。
コロナ禍で前倒し
国が進めるGIGAスクール構想は、義務教育を受ける児童生徒に1人1台の情報端末と校内に高速ネットワークを整備する計画。2023年度までに段階的に端末を導入する方針だったが、新型コロナウイルスの流行でオンライン学習の必要性が高まったことからスケジュールを大幅に前倒しした。
校外持ち出しは禁止
横浜市では、小学校向けの端末にカメラ機能が充実して操作がしやすいiPad、中学校には起動が速いChrome book(クロームブック)を選定し、初期設定を行った上で児童生徒と全教職員に配布。各教室などには専用の保管庫が設置される。
市教育委員会によると、端末は当面校内のみでの使用として校外への持ち出しは禁止するが、「再び一斉休校になれば、端末を持ち帰ってリモート授業に活用できるようにするなど緊急的な対応を取ることも考えられる」と話している。
主体的な学びに期待
5年生のクラスでは、担任が出題したクイズに児童が端末上で回答し、全員の答えが教室のモニターに映し出される様子を体験した。男子児童は「お兄ちゃんがiPadを使っているので、操作は簡単だった。これから体育や家庭科の授業などでたくさん使っていきたい」と声を弾ませた。
次田(しだ)るみ子副校長は「端末が全員に行き渡ったことで、自分で調べたこと、提案したいことを友だちや先生と即座に共有するなど、より主体的に学ぶための環境が整った。授業だけでなく、委員会やクラブ活動などにも活用の幅を広げていけたら」と期待を示した。
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