鶴見区でスタート、神奈川区にも展開
鶴見区と神奈川区の医療・介護機関などが情報通信技術(ICT)を使って患者情報を共有する「サルビアねっと」の登録者数が、運用開始から2年半で1万人を超ええた。
「2025問題」解消に
サルビアねっとは、電子カルテ情報や薬の処方歴、検査結果などをICTによって共有するネットワークシステム。患者1人に対し、医師や福祉関連などの多職種が包括的に連携しながら見守る仕組みだ。団塊の世代が後期高齢者となる「2025年問題」の対策として、2019年に市が公表したICT活用の地域医療介護連携ネットワーク構築ガイドラインに基づき鶴見区で始まった。
総務省の補助金を得て鶴見区の済生会横浜市東部病院や医師会、歯科医師会、薬剤師会などで構成されるサルビアねっと協議会が主体となって運営し、昨年には神奈川県の補助事業に採択されて神奈川区にもエリアを拡大。同区の医師会らも協議会に加わった。
個人情報を取り扱うため、利用には患者、施設側共に登録が必須となる。11月26日現在の登録者は1万1461人、参加施設数は113件。共に数が増えるほどメリットが大きいため、参加施設や医師らが患者一人一人に利用を勧奨するなど地道な活動を続けている。
施設は有償、課題も
昨年11月にはスマートフォンからの患者登録機能を拡充。東部病院の外来予約サービスも稼働した。これにより、紹介状をもらい電話などでの予約が不要となった上、検査結果を共有し、早期に適切な対応へつなげることも可能とした。現在他の病院に展開するため準備中という。
一方で、患者の登録は無料だが施設側はシステム維持などのために登録料がかかり、補助金で賄う導入費が高いなど課題は多い。同協議会の理事として開始当初から参加する鶴見区医師会の芝山幸久会長は、「今後、災害やパンデミックの際にも役立つ。時間はかかるが、良さを感じるまで拡大させなければ」と話している。
![]() サルビアねっとホームページ
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