自閉症の動物画家として活躍する石村嘉成さん(27)のオンライン講演会が18日、城郷高校で開催された。
同校は、知的障害を抱える生徒が高校で学ぶ機会を広げることを目標にした県の「インクルーシブ教育実践推進校」として、2020年度から特別入学枠を設けている。講演会は同教育の一環で、1年生を対象に石村さんの自宅と各教室をビデオ会議システムでつないで実施した。
石村さんは2歳で自閉症と診断され、小学5年生の頃に母の有希子さん(享年40歳)を病気で亡くした。高校時代に版画やアクリル画を始めると、2013年には第2回新エコールドパリ浮世・絵展ドローイングコンクールで優秀賞を受賞。精力的に個展を開催し、独創的な作風が多くの人を魅了している。
亡き母のしつけ守り
石村さんは「母は私が小学校入学時、先生に『他の児童と同じように分け隔てなく指導してください』と言ったそうです。私のわがままを許さないし、人に迷惑をかけることが無いようにと徹底的にしつけてくれた」と、障害を言い訳にしない教育を貫いた有希子さんや父・和徳さんとの思い出を振り返り、「障害に甘えずに闘ってきたおかげで、少しくらいの困難にはびくともしません」と力強く語った。
石村さんには高校卒業後から毎晩欠かさず描き続けている絵日記があり、創作の源泉になっているという。「周りはすごいと褒めてくれますが、描きたい動物がどんどん溢れてくるのです。これは私の特性なんだと思います」といい、「皆さんも好きなことを頑張ってほしい」と生徒に呼び掛け、亀をモチーフにした版画の制作過程も公開した。
講演を聴いた生徒は「お母さんの決心が、(石村さんが持つ)障害に関係なく伝わったんだと思う」と感想を述べ、将来は保育士を目指したいという生徒は「夢に向かって頑張ることの大切さを学べた」と話した。
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