天然由来のせっけんや化粧品、食用加工油脂などを製造する太陽油脂=守屋町=が、金沢区の小学校児童らとオリジナルせっけんを製品化した。環境教育の一環として市内各地の小学校で出前教室を開く中、新型コロナ対策などのためにせっけん作りに挑戦しようという子どもたちの思いに共感。試作を重ねて完成したせっけんは、金沢八景駅近くの薬局前で限定販売する予定だ。
金沢区の瀬ヶ崎小学校では2年前、当時4年生だった児童が総合学習の時間で「身の回りの解決すべき問題」について考えたところ、多くの児童がコロナ対策を挙げた。感染症予防には手洗いが重要だと考え、手洗いが楽しくなるようにとオリジナルのせっけん作りに挑戦することにしたという。
太陽油脂では児童への環境教育として市内の小学校でせっけん作りの出前教室を行っており、同校でも授業を行った縁で活動に協力。児童はせっけん作りを通して環境保全や金沢区の盛り上げにもつなげようと考え、保湿効果があるとされるフコイダンを含むコンブや汚れを吸着する炭、廃棄されていた給食のみかんの皮など地元に関連した素材を選んだ。
児童のアイデアを基にせっけん作りに取り組んだ同社の担当者は「児童と一から商品を作るのは初めて。分散登校などもあり意見をまとめるのが大変だった」といい、オンラインで児童との話し合いや試作を重ねた。
完成したせっけんは、黒い見た目と小柴沖(現在の金沢八景沖合)にペリー提督が停泊したことにちなんで「横浜金澤黒船石けん」と命名。「手洗いを沢山して健康でいること」「地域を盛り上げること」「世界の環境に貢献すること」を目的に販売するという。1個140gで価格は千円。金沢八景駅近くの光栄堂薬局前で2月15日・16日に千個限定で販売する予定。売り上げは環境貢献に向けた寄付に充てる。同社の担当者は「多くの人の協力があって1つの石けんができているということを学んでほしいと思います」と児童に期待を寄せた。
まん延防止等重点措置が延長される場合、販売は順延予定。
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