■おすすめの本は・・・
『横浜江戸散歩』
著者:斉藤司
出版社:神奈川新聞社 発行:2015年
■こんなお話です
私たちの日常生活には江戸時代の名残が所々に見られます。例えば暦の十二支や身近な単位(お米の合数、土地の坪数など)や、そば屋さんの看板に見かける変体仮名「楚者(そば)」の字などがあります。しかし江戸時代は身近に見えて、その社会の仕組みや実態は複雑で、歴史の素人にはとっつきにくい存在でもあります。
今回ご紹介する『江戸横浜散歩』は、著者が新聞や広報紙に発表した短い文章をまとめたものですが、複雑な江戸期の社会のあり方を身近な地域を題材にエッセイ風に紹介した好著です。神奈川宿に関する記述も多く、地元の歴史について知りたい人にもおすすめです。著者の斉藤さんは横浜市歴史博物館研究員、横浜開港資料館副館長を歴任されましたが、惜しいことに2019年に逝去されています。私自身も調査でお世話になったことがありますが、ご多忙の中、丁寧な回答をいただいた記憶があります。本書はその学識の深さと感性の豊かさが伝わってくる1冊となっています。
■おすすめの理由は・・・
見附というと赤坂見附を思い浮かべますが、神奈川宿の出入り口にも見附があり、防御施設の役割を果たしていたそうです。そのほか、方位と色の関係、96文を100文として計算する九六銭など、あまり知られていない江戸社会の姿が見えてきます。
《協力:神奈川図書館》
横浜市神奈川区立町20-1/【電話】045・434・4339
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