人生100年時代と言われ、神奈川区では100歳以上の人口は145人(2023年3月31日時点)に上る。104歳の井上寛子さん=中丸在住=は、戦前から画家として活動。今も自宅のアトリエで制作を続ける。100歳を超えても自分らしく暮らしている。
戦禍残るアトリエ
東京都北区で生まれた井上さん。画家を志す中で、夫となる彫刻家の信道さんと出会い横浜へ。現在は娘夫婦と暮らす1929年建築の自宅兼アトリエは、横浜大空襲の痕も残り横浜市の歴史的建造物にも登録される。
絵画を描く一番の楽しみは、自身のイメージの具現化。頭に描いたアイデアや浮かんだ風景が、キャンバスに少しづつ色を塗りながら実現する過程楽しいと笑顔を見せる。一昨年には都内で個展を開催し、母校に絵画の寄付も実施。今年は、約40年前に夫婦で行ったスイスの風景を表現した一枚『白い道』も完成させた。
特別なことはしていないと話すが、健康の秘訣は日々の積み重ねにある。大好きな洗濯物は日課で、毎朝6時に起きて、お気に入りの野菜サラダなど食事の準備もするという。娘の静子さんも「自分のことは全部自分でできる。元気に階段も登るし、大きなキャンバスも運んでしまう」と話す。
104年の記憶を振り返り、「戦争という大きな苦難を経験した。次世代には、争いのない平和な世界を作っていってほしい」と井上さんは未来への希望を口にする。
区内最高齢は河野さん(112)
2023年度に新たに100歳を迎える高齢者は、横浜市内では1004人。神奈川区は、鶴見区(72人)に次ぐ71人が節目を迎える。区内で最高齢となったのは、112歳の河野のぶさんだ。
現在は、サニーライフ三ツ池公園=鶴見区=で暮らす河野さん。ゆっくりではあるが、施設の職員との会話も楽しむ。春には花見、夏には施設内での夏祭りも満喫した。90歳を迎えた長男の豊さんら5人の子どもたちも定期的に顔を出す。豊さんは「お母さんが元気だから自分たちも頑張れる」と笑顔を見せる。
老人の日である9月15日には、日比野政芳区長が、井上さんと河野さんを来訪。山中竹春市長からの祝いの手紙や贈呈品も手渡した。日比野区長は「自分らしい楽しみを持ち、生き生きと暮らす姿が印象的。高齢者の方の様々な活動や居場所づくりも応援していきたい」と話した。
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