六角橋商店街の役員らが、商店街の将来的な課題解決を目的としたまちづくり会社「合同会社WASSHOI(わっしょい)六角橋」を設立した。組織の担い手不足や老朽化など、商店街単独では負担が難しい諸課題に取り組む受け皿として、地域内商売の持続化を見据える。
まちづくり会社とは、商業活性化や街のマネジメントなどを目的に、地方公共団体や商業者などが共同出資で設立する会社のこと。近隣では鶴見区のレアールつくの商店街を拠点にマルシェなどを手掛ける「合同会社ふくわらい」などがある。
今回、六角橋で立ち上がったまちづくり会社「WASSHOI六角橋」は、六角橋の各商店街の役員ら6人が発起人。「六角橋」にちなんで令和6年6月6日に設立された。代表社員をつとめる稲見明子さんは「具体的な活動はこれからだが、商店街活性化のための事務処理や、商店街が先送りしてきた諸課題に取り組み、商店街と地域をつなぐ未来志向のまちづくりを目指したい」と話す。
諸課題の受け皿として
設立のきっかけとなった一つが、2011年に発生した商店街の火災だ。約20店舗が全半焼した大きな火災をうけて、商店街では翌年にまちづくり検討会を発足。地域のまちづくりルールや商店街のアーケード老朽化に伴う調査などを行ってきた。
その中で、「建物やアーケードの老朽化による建て替え問題」「商店街組織の担い手不足」「商店街事務員の業務負担集中」などの課題が噴出。こうした課題は個々の商店主の立場ではなかなか解決に至りにくいことから、その受け皿組織として、まちづくり会社を設立することになった。
稲見さんは「今年正月の能登半島地震で大きな被害を受けた輪島の商店街などの話を聞き、いざというときに動ける組織があるほうが良い実感し、構想が進んでいきました」と説明する。
毎年4月〜10月に開かれる「ドッキリヤミ市場」や商店街プロレスなど、さまざまなイベントを行う六角橋商店街だが、その運営は商店主個人の負担によるところが大きい。「まちづくり会社による運営のサポートや、フィルムコミッションのような形で商店街利用のルールを決めて商店街に還元できる形を作ったり、アンテナショップのような場所もいずれは作れたら」と今後の展望を話す。
既存の商店街組織との違いについては「会社組織にすることで、外部の人が商店街だけでなく町全体のことに関われる。前のめりで『何かやりたい』と考えている人も多い場所なので、その下地を生かしたい。まずはいろいろ始めてみて、誰もが参加しやすい形を見つけたい」とした。
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