「日米友好の象徴」と呼ばれる米国ワシントンから横浜に里帰りした桜から生まれた「シドモア桜」が6月15日、幸ケ谷小学校の校舎裏側花壇に植樹された。「シドモア桜の会横浜」から寄贈されたもの。
同会は横浜全18区へのシドモア桜植樹を進めており、今回はその一環。同校の学習支援ボランティア「幸ケ谷共育倶楽部」の創立15周年も兼ねて、同団体を通じて学校に話があり、実現した。
植樹式では関係者がシャベルとジョウロを手にし、苗木に水と土をかけた。シドモア桜の会横浜の梅本千晶代表理事は「皆さんで一緒に桜の成長を見守って頂けたら」と呼びかけた。
今回は、ワシントン在住で日本を訪れる旅行者へのインバウンド事業を手掛ける、スコット・ギルマンさんが趣旨に賛同。説明板などの製作を支援した。ワシントンの桜を毎年楽しみにしているというギルマンさんは「植樹できて光栄。日本とアメリカ、横浜とワシントンのつながりを多くの人に伝えていきたい」と話した。
同校環境委員の5・6年生も参加し、苗木に水を掛けた。5年生の女子児童は「入学する1年生が、この桜と一緒に記念写真を撮ってくれたらうれしい」と話した。
シドモア桜の「シドモア」は、横浜外国人墓地に眠る米国人紀行家エリザ・R・シドモア(1856〜1928)が由来。有名なワシントンのポトマック河畔一帯の桜は、日本の桜の美しさに魅了された彼女が大統領夫人に桜の移植計画を持ち掛け実現したもので、横浜港から海を渡ったと言われている。1991年には同会の前身によってワシントンから里帰りの苗木が贈られ、シドモアの墓前に植えられた。この「里帰り桜」から生まれた苗が、シドモア桜として同会の手で市内各所に植樹されている。
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