神奈川区役所 通訳サービスを試験導入 テレビ電話で5言語対応
神奈川区役所(川名薫区長)は、外国人区民への窓口対応を円滑に行うため、テレビ電話による通訳サービスを3月3日から31日まで試験的に実施する。区職員が発案した市内初の試みで、繁忙期に合わせ試験導入される。
神奈川区の外国人区民は4800人を超えており、市内で5番目に多い。そのため、窓口での外国人対応が課題となっていた。そこで今回、「日本語が不自由な人でも安心して手続きができるように」と、テレビ電話による通訳サービスの試験導入が決まった。
このサービスは、テレビ電話で委託先の通訳センターにインターネット接続し、来庁者と区職員のやりとりをリアルタイムで通訳する。使用するタブレット端末は、区役所1階にある「総合案内窓口」に1台設置され、各課で必要となった際に区職員が持ち出して使用する形をとる。区政推進課は「テレビ電話なので、言葉では説明しにくいときに実物を見せながら話すこともできる点で便利なのでは」と話している。対応言語は、英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語の5カ国語となる。
プロジェクトチームが発案
区は区民満足向上を図ろうと、課の枠を超えたプロジェクトチームによる「CS―up(顧客満足向上)プログラム」を2005年度から実施。今回の通訳サービスは、12年度に6課16人のチームで検討した「外国人市民に分かりやすい窓口サービス」の中で出たアイディアだ。外国人の多い鶴見区や中区へヒアリングに行ったり、外国人区民から意見を聞くなどし、これまでには庁舎内の案内板や多言語情報コーナーの整備も行われた。
区内で外国人区民を支援しているサークル、KANAKの関係者は、便利になる一方で「人に聞かれたくないことが聞こえてしまうと話しづらいのでは」と指摘する。同課は「試験結果を踏まえ、本格的に導入できれば」としている。
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