横浜市教育委員会は現行月額4000円の市立小学校給食費について、9月から600円値上げすることを検討している。給食にかかる食材費の高騰が主な理由。価格改定に伴い保護者負担が増える見通しで、09年1月以来9年ぶりの値上げになる。
横浜市では8月を除く、11回の給食実施月の合計、4万4000円を年間の給食費としている。値上げが決まれば年間でプラス6600円の費用負担が発生。
14年4月に実施された消費税率引き上げや近年の食材費高騰の中、市は献立の工夫や横浜市学校給食費調整基金からの補てんで栄養価や食品構成の充足を図ってきた。しかし、13年度末に8億円以上あった基金は、このままでは18年度末に約1億円の赤字になる見通し。
17年度の基準献立原案は、1食あたり約243円(月額4160円程)で作成し、不足分に基金を充てる。給食摂取基準は満たしているものの14年度と比較すると、主菜・副菜・汁物など「三品献立」の提供回数減少や使用する魚の種類が半数以下になるなどの影響が出ている模様だ。
市担当者「理解を」
仮に14年度献立原案で給食を作ると、月額約4611円の費用が必要になると市教委は試算した。市教委担当者は値上げについて「食材やおかずの品数など充実した給食を提供するために理解してほしい」と訴える。市立小学校に子どもを通わせる保護者(39)は値上げには一定の理解を示したものの「まだまだ子育てにお金がかかるので(値上げに)反対」と話す。
給食費値上げの動きは神奈川県内の他自治体にも見られる。川崎市では4月から平均月額3850円を全学年一律の4500円(完全給食)に変更する。また、横須賀市でも月額500円値上げの検討を進めている段階だ。
横浜市では「市として望ましい小学校給食のあり方」について、市会定例会で議論を進め、学校給食費の管理に関する条例改正を行う予定。今後、保護者等への周知を経て、9月から値上げに踏み切る意向だ。
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