子どもの居場所「つみ木」を創設した 糸岡 清一さん 三枚町在住 71歳
尽きない教育魂
○…放課後に集まることのできる子どもの居場所「つみ木」をこのほど、特別養護老人ホーム羽沢の家に創設した。月に一度、地区社協や民生委員などの地域住民がスタッフとなり、子どもたちと遊んだり、宿題を教えたりする場所だ。「子どもと地域の方が自然とふれあう関係を創り出す出発点にしたい。この地域に愛着を持ってもらえれば嬉しい」と話す。
○…熊本県に生まれた。子どもの頃から足が速く常にリレーの選手として活躍した。中学ではバドミントン部に所属。勉強では理科が好きで、無線に興味を持った。中1でアマチュア無線の国家資格を取るなど夢中になった。「好きなことを他人にも教えたい」と教師を目指すようになり、猛勉強の末、熊本大学教育学部に進学した。「教師になるためには、社会のことも知っておきたい」と社会的弱者と地域課題に取り組むセツルメイト運動を展開した。
○…教師の道は一筋縄ではいかず、卒業後は児童福祉施設で多様な問題を抱えた子どもたちに寄り添った。さらに教師になりたい思いが増し、当時人口が急増していた横浜市へ移り住んだ。初任校は池上小学校。理科を中心に教材研究に没頭し、定年前には、文部科学省と横浜市から優秀教員として表彰された。最後の赴任校は菅田小学校だった。現在は後進育成のために横浜国立大学で教鞭をとっている。
○…現在は7人の大家族。孫2人と一緒に生活している。「孫がいる友人をみて孫バカなんて思っていましたが、やっぱり自分の孫を持つと可愛いですね」と笑顔。故郷熊本には、2カ月に1回のペースで帰省している。「育った場所は愛着が湧くもの。子どもたちには、羽沢でたくさん思い出を作って、生まれ育った地域を大切にしてほしい」
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