未利用野菜、捨てずに動物へ――。新型コロナウイルスの影響で外食産業が打撃を受け、生産野菜も供給過剰となるなか、野菜卸売業のつま正は味に問題がなくても袋詰め野菜の一部に傷みが見られたり、売れずに返品されたりして廃棄される野菜をよこはま動物園ズーラシアに寄贈した。
同社が扱う業務用野菜でも検品時に葉の一部が黄色く変色したものなどが見つかり、商品として卸すことができず行き場をなくした野菜の総量は158kgに上る。
しかし、味が良くまだ食べられる野菜を産地に送り返しても廃棄されてしまうため、活用方法を考えるなかで動物の餌として使ってもらう案が浮かんだ。水族館に提供することも検討したが、葉物野菜を好む動物が多く飼育されている動物園に贈ろうと決めたという。
寄贈したのは、茨城県産の小松菜・水菜・チンゲン菜・パセリの4種類。食べられる部分を仕分けし、販売に適さないと判断してから3日後には飼育員の手に渡った。園の関係者は「菜っ葉が好きな動物も多いので助かります」と喜んだ。
フードロス削減願う
小山正和取締役統括部長は、「今回贈った野菜は人もおいしく食べられるものばかり。生産者にとって育てた野菜は我が子同然なので、廃棄させたくなかった」と話す。
飲食店の営業自粛が長引いたことで売れ行きが落ち込んだ野菜を生産地から買い取り、自動車から降りずに買い物できる「ドライブスルー八百屋」として一般消費者に販売するなど、食品流通に携わる企業としてフードロス削減に懸ける思いは強い。
同社では、モスバーガー系列のモスダイニングの協力で自社の扱う野菜を使ったレシピをホームページで公開するなど、野菜を身近に感じてもらう取り組みにも力を入れている。
同社ホームページ【URL】https://tumamasa.co.jp/
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