新型コロナウイルスの影響でアルバイト収入が減るなど経済的に困窮している1人暮らしの大学生を支援しようと、六角橋自治連合会や横浜市社会福祉協議会などが6日、109人分の食料を無料で配布した。寄付金で購入した米や企業から提供された缶詰、飲料など約7日分を用意。受け取った学生らは口々に「生活が苦しいなか、とても助かる」と感謝した。
食に困っている人への支援として、市社協のボランティアセンターが取り組む「ヨコ寄付」で集まった個人からの寄付金を活用し、フードバンク団体や企業から募った食料をセットにして提供。神奈川大学の学生ボランティア活動支援室と、六角橋自治会連合会、横浜市六角橋地域ケアプラザなどで作るまちづくり団体「まち×学生プロジェクト」が協力し、「まち”SHOKU”」と題して運営に当たった。
開始時刻の午前10時を過ぎると、事前に応募フォームから申し込んだ神奈川大生と横浜国立大生が会場の六角橋公園プール集会所に続々と姿を見せた。市社協の担当者によると、用意数の80人分を大きく上回る応募があったことから、急遽食料を追加で調達したという。
学生証を提示して受け付けを済ませた学生は、運営スタッフから「何年生ですか」「大変だけど頑張って」と言葉を掛けられながら、2kg入りの米やカップ麺、缶詰、菓子などをビニール袋に詰めていった。
神奈川大学院2年の佐塚将太さんは、イベント関係の派遣バイトが3月から激減。「研究用の書籍を購入する費用もかさみ、生活は厳しい」とこぼし、「食事面でも切り詰めて生活しているので、無料で食べ物をいただけて良かった」と笑顔を見せた。みなとみらいの観光土産店で働く橘有咲さん(同大3年)も、観光客の減少に追い打ちをかけるように勤務先が休業。緊急事態宣言の解除後も客足は戻っておらず、「講座の受講費や資格の取得費といった出費もあるので正直不安」と打ち明けた。
地域で支える
六角橋地域は、まち×学生プロジェクトの取り組みなどが浸透することで日ごろから学生とのつながりが強く、今回の取り組みも短期間で準備を整え学生や青少年指導員、自治会関係者らが当日の運営サポートを買って出た。
ボランティア活動支援室学生代表の桜井大地さん(3年)は「多くの学生が逆境に立たされているなか、こんなに多くの方が学生のことを思って活動してくれていると思うととても心強い」と話す。六角橋自治連の森勤会長は「今日食べるものに困っている学生も多いはず。地域でスクラムを組んで支えていくことで、学生により地域に関心を持ってもらうきっかけになれば」と話した。
「まち”SHOKU”」では第2弾のプロジェクトとして、六角橋商店街で使える金券を学生に配布する企画も進めているという。
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