神奈川宿フェス
会場規模拡大して開催
地域の魅力と歴史発信
11月21日
社会課題化する空き家の解消に向け、地域の交流拠点として活用する取り組みが子安台で動き始めている。不動産業者や地域住民らが協働し、築50年の木造家屋を交流スペースに生まれ変わらせる計画。まちづくりに対する優秀なアイデアに市が助成金を交付する「ヨコハマ市民まち普請事業」に応募して一次審査を通過するなど、計画は現実味を帯びてきた。
「空き家を活用して子安台と新子安に交流拠点をつくる会」は、不動産業者として空き家の活用ノウハウを持つリライト=泉町=の田中裕治さんが代表を務め、活動に賛同する地域住民などが参加。区内でも高齢化率が高い子安台にある築50年以上の空き家を同社が取得し、交流拠点として活用を目指している。
計画では木造2階建ての物件をリノベーションし、1階にカフェやコミュニティスペース、2階にレンタルスペースを整備。屋外には、建物が使われていないときも自由に利用できるテラスを設けて地域に開放する。
多世代が集う居場所として、喫茶店やイベント・生涯学習スペース、こども食堂などの利用を想定しているといい、近隣住民に企画段階から関わってもらうことで、地域特性に合わせた施設としての役割を探っていく。「地域の人の手も借りながらDIYで整備し、施設に愛着を持ってもらえたら」と田中さんは話す。
多世代集う場に
同会が目指すのは、空き家の解消に向けた取り組みを通して住民同士の新たな交流を生み出すことだ。子安台では高齢化が進む一方、新子安はマンション建設などで子育て世代を中心とした新住民が増加。隣り合う地区ながら住民構成は二極化が進んでおり、メンバーで料理研究家の阿部博美さんは「互いの地域に住む人同士の交流はまだまだ少ない」という。
子安台に住む阿部さんは、以前から地域住民が交流できる拠点の必要性を感じていたといい、孤立しがちな一人暮らしの高齢者を自宅に招いて食事を振る舞うなど、自発的なボランティアを続けてきた。「新子安は共働き世帯が多く、こども食堂などの需要も高いはず。子どもから高齢者まで、多世代が集う施設ができればお互いの交流が進む」と期待する。
物件の整備には500〜1千万円ほどの費用を見込むが、市の「ヨコハマ市民まち普請事業」に採択されれば最大で500万円の助成金が交付される。
10日にあった一次コンテストでは、応募した11グループの中から二次に進む6事業に選ばれた。来年3月の採択を目指し、会では地域の理解を得ながら事業計画のブラッシュアップに取り組んでいく。田中さんは「子安台と新子安エリアを地域の方々が往来する新たな動きを作りたい。同様の空き家を活用した居場所を徐々に増やしていき、にぎわいであふれる地域にできたら」と夢を描く。
同会では、活動に協力するメンバーを募集している。問い合わせは小山将史さん(小山将史建築設計事務所)【電話】045・534・3631。
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