肉や魚だけでなく、卵や乳製品といった動物由来のものを一切口にしない完全菜食主義者であるヴィーガン対応の防災食「Vエイドパン」が、反町の漢方薬局・大丸薬局の店頭に置かれている。3種類の味のうち「抹茶クロレラ&あずき味」には、区内沢渡に関東支店を置くクロレラ工業が生産している、緑色植物の原点で単細胞緑藻の「筑後産クロレラ」が配合されている。ヴィーガンに対応した防災パンの開発は、世界初の試みだという。
食の多様性に着眼
1964年に世界に先駆けクロレラ専門企業として創業したクロレラ工業では、緑黄色野菜の約10倍の栄養価があるクロレラを栄養補給できる素材として発信するとともに、東京オリンピックの開催地として誰もが安心して食事をできる環境を整えたいと食の多様性に着目してきた。
クロレラには緑黄色野菜に含まれないビタミンB12やビタミンDが含有され、菜食主義者に不足しがちな栄養素を補給できることから、健康補助食品GMP(適正製造規範)認定とイスラム教徒も食せるハラール認証をいち早く受けてきた。
この健康素材に、防災や保存食品を手掛ける東京ファインフーズが注目し、今回の防災パン製造に至った。
クロレラ工業独自の研究で開発されたチクゴ株は、免疫細胞を活性化し健康に働きかける作用のある多糖体を分泌・細胞外保持していると研究で明らかにされており、クロレラの中でもチクゴ株だけの特長とされる。
商品を取り扱う大丸薬局では「災害時に手を洗わなくても食べられるパッケージと賞味期限が3年で長期保存できる点が好評」と話す。
20億年前からあるクロレラ
クロレラは「地球の生命の原点」として約20億年前から誕生したとされる、直径3〜8㎛のほぼ球形の単細胞緑藻。ビタミン・ミネラル・必須脂肪酸・食物繊維・葉緑素などの栄養成分がバランスよく豊富に含まれ、パンや麺などの発酵生地、納豆などの発酵食品に用いられるほか、抹茶の退色予防などの用途で一般に使用されている。
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