横浜市では、新型コロナウイルス感染症の影響で公演機会が減り、経済的に苦境に立たされながらも新たな表現方法を模索するアーティストへの支援策を講じている。活動支援金の助成や臨時相談センター開設、バーチャル版芸術フェスティバルサイトの構築と、多岐にわたる支援で「コロナ禍でも市域の文化芸術の灯をともし続けたい」としている。
市文化観光局によるとコロナ禍で文化施設の利用者数は従来と比較して激減。主要文化施設を対象に行った調査では昨年10月時点で利用率71%まで回復したが、1月8日に緊急事態宣言が再発出されると落ち込みは加速し従来の半数以下に減少している印象だという。
アーティストへの支援策として、市は昨年5月の補正予算で市内在住か市内に活動拠点を置くプロの芸術家を対象に、活動再開までにかかる経費を上限30万円で助成し826件を採択。市内文化施設で映像制作や配信を行った芸術家209件にも上限70万円を助成した。さらに、12月補正予算を受けて、市内施設での公演にかかる費用として最大50万円を300件ほど助成する計画だ。
出演料払い動画配信も
助成金以外にも、税理士ら専門家を配した「臨時相談センター」を設け昨年5月から1月末までに資金関連など117件の相談に応じた。昨年9月には、ドローンや360度カメラなど最新撮影技術で収録した動画を無料配信するサイト「横浜WEBステージ」を立ち上げ、これまでに音楽や舞踊の分野で活動する約300人がパフォーマンスを行った。出演者には出演料も支払われる。
神奈川区にある文化施設のかなっくホールは「行政の助成金を使い当館で動画撮影をされる方もいる。公演数が減る中当館では動画配信を行って芸術家に出演料を支払っている」と芸術家への支援方法を模索する。
助成金を活用したサックス奏者の皆川トオルさんは「昨年と比べ公演数は8割減になり、コロナ禍でも何か作品を作りたいと支援を受けた。若いミュージシャンはネットで情報収集し、ほぼ100%が行政支援を受けているが、中高年以降は2割程度では」と述べた。
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