2021年度に菅田小学校と統合する池上小学校で20日、閉校式が行われた。児童や教職員らは、93年の歴史を紡いできた学びやでの生活を噛みしめながら最後のセレモニーに臨んだ。
閉校式は、児童運営員会と教職員が中心となって企画。「池上にありがとうの花さかせよう」というテーマに沿って、学校生活の中で関わってきた人たちに感謝の気持ちを伝える場にしようと準備を進めてきた。
実行委員長の松本愛結(あゆ)さん(6年)は「池上小学校が名前も建物もなくなってしまうことを初めて耳にしたときのショックを、今でも忘れることができません。でも今は、93年の歴史の幕を自分たちの手で下ろすことができることを光栄に思っています」とあいさつ。「教室の机やいす、黒板やロッカー、体育館や図書室など、全ての場所や物、見える景色に私たちの思い出が詰まっています」と、全校生徒の思いを代弁した。
式典は教職員や来賓、運営委員の児童など最少人数で行い、撮影した映像を各教室に待機する児童がモニターで眺めた。6年2組が制作した動画では、「トトロの木」と呼ばれて親しまれたクスノキや多くの生物がすむ池、校庭の芝生など学校のシンボルを紹介。各委員会が考えた学校にまつわるクイズも行われた。
第2部では、総合学習の時間に取り組んできた成果をクラスごとに発表した。菅田地域に伝わるお囃子の演奏や、無料通信アプリ「LINE」で使用できるオリジナルのスタンプなどが発表されると、式典会場の体育館にも教室からの拍手が届いた。
寳來生志子校長は「子どもたちが1年間学んできたことを発揮する機会を作ってあげることができて良かった」と笑顔で式典を振り返った。
池上小は市が小規模校に指定する菅田小と統合し、今年4月に「菅田の丘小学校」として菅田小校舎を利用して開校する。2024年度からは、老朽化に伴う建て替えが完了する旧池上小の新校舎に移転。菅田小は学校としての用途が廃止されるため、跡地利用の検討が進められている。
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