菅田中学校陸上競技部のメリットカイルケイランさん(3年)が、8月に行われた全日本中学校陸上競技選手権大会の男子200mで第5位に入賞した。同校からの陸上競技全中入賞者は初の快挙だという。
メリットさんは7月に行われた全日本中学校通信陸上競技神奈川県大会の同種目で優勝。全国標準記録を上回る21秒83を記録し、全国大会への出場権を得た。
自身にとって初めての全国の舞台。この時点で持ちタイムが全国ランキングで1位。表彰台をイメージして臨んだ全中は、予選タイム21秒91で決勝に進出。「ネットで知っている名前の人たちと走れるワクワク感」を胸に迎えた一戦は、記録21秒85と好タイムだったものの、全体では5位となり、表彰台を逃す結果となった。
菅田中学校としては史上初の全中入賞を果たしたものの、レースを終えた瞬間は「メダルが欲しかったという悔しさでいっぱいだった」と振り返る。
悔し泣きした小3が原点
両親がジャマイカ人のメリットさんは、親の仕事の都合で9歳の時に同国から来日。『ドラえもん』のアニメを見ながら日本語を覚え、小学3年生で宮城県から神奈川区に引っ越した。
その年の運動会、それまでは「ぶっちぎり」だったという徒競走で初めて、クラスメイトと同着に。「1位が自分だけじゃなかった」と悔し涙を流した経験が、1位を取る楽しさを実感した原点となっている。
自らの弱点を研究
中学1年の途中から陸上部に入ると、「自分の持ち味が出せる」と200mを主戦場に据えた。
自身の武器は中盤以降の加速力と、180cmの身長を活かしたストライド(歩幅)の広さ。
一方で苦手だというスタートの遅さを克服しようと、早い選手の動画を見て研究。前傾姿勢の時間を長くしたほか、負傷で走れない間は地面を力強く押すための筋肉を鍛えるなど、研究熱心な一面も走力向上に大きく寄与した。
ライバルが刺激に
こうして臨んだ中学生活最後の夏。全中を制したのは、県大会・関東大会で競り勝ってきた同県のライバルだった。全国5位とはいえ悔しさがにじむ結果に終わったが「ライバルがいるから陸上は楽しい。高校進学後もすごい記録を残したい」とまだ見ぬ好敵手を糧に、更なる高みへのステップアップを誓った。
浦島丘中・今井さんは100mに出場
このほか同大会では区内から浦島丘中学校3年の今井新次郎さんが男子100mに出場。11秒32で予選11組の3位となり、決勝進出はならなかった。
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