総務省の「地域おこし協力隊」に応募して、今春から山形県遊佐町に移り住む 鍋内愛美(まなみ)さん 犬蔵在住 21歳
自分をたしかめたい
○…鳥海山のふもと、肥よくな庄内平野が広がる山形県遊佐町で、この春から農業をはじめとした地域活動に取り組む。総務省が人口減少や高齢化が進む「地方」に活力を与えようと全国各地で展開する「地域おこし協力隊」に応募した。任期は来年3月までで最長3年間継続できる。「地域とふれあいながら、自分のやりたいことを見つけられたら」と意欲を口にする。
〇…東京農業大学地域環境科学部造園科学科4年。主に都市緑化や自然と人との共生を学び、「農業そのものにも興味がわいてきた」と話す。卒業論文は「藩政時代の第一次産業と文化的景観の関係性」。気候風土に根ざした農林水産業の発展や景観、人々の暮らしを見つめた。昨年は就職活動で産直食材の宅配サービスを行う企業などを受ける一方、山梨と長野の農家で「ファームステイ」も体験。将来を模索する中での今回の応募で、「地域の暮らしや農業と直接関わりながら、自分というものをたしかめたい」と瞳を輝かせる。
〇…卒論の現地取材でも訪れたことのある山形に縁を感じ、同県遊佐町を選んだ。現地では専業農家で稲作やハウス栽培を手伝いながら、高齢者の通院や買い物といった住民生活支援も行う。「雪の多さに驚きましたが、四季の移り変わりが楽しみ」。農作業では好物のアスパラの栽培も手伝うことになるそうで、「自分で育てたアスパラを食べられるのも今から楽しみです」と笑顔で語る。
〇…小学生の時に山梨県から宮前区に転入した。「山梨に住んでいた頃、家庭菜園をしていた母親の周りを遊びまわっていたのが農業に関心をもつきっかけだったのかも」とニコリ。現地では初の独り暮らしにも挑戦する。「料理は大丈夫だと思うのですが、車の運転、特に雪道が心配ですね」。都市から地方へ。自分探しの1年がもうすぐ始まる。
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4月11日
4月4日