神奈川県教育委員会は今月1日、知的障害のある生徒が通常学級で学ぶ「インクルーシブ教育」の新たな実践推進校に、県立川崎北高校(勝股正校長)ほか11校を指定する方針を示した。川崎市内では北高のみ。
「インクルーシブ教育」は、知的障害の生徒と健常な生徒が同じ教室で学び、部活動などを含め一緒の学校生活を送るもの。個の違いを理解し関わることで、互いに情緒や社会性を養い、進路の選択肢の拡大等にも期待する。
高校での導入は全国でも前例が少ない。神奈川県では実践推進校(パイロット校)3校を指定し、2017年度からスタートした。
計画案では新たに11校を増やす。来年4月に指定を行った後、1年間の準備期間を経て20年度から合格した知的障害者が入学できる予定だ。県教育委は新推進校について、「県内全域の希望する人が通うことができる範囲を考慮して選定した」とし、市内では川崎北高校のみが選ばれた。
川崎北高校では、すでに在校生徒らへの説明を終え、体制整備に向けて準備を進めている。現在パイロット校の情報をもとに、教職員が勉強・研究を進めているほか、実際にパイロット校を訪れ、視察等も行う。
また設備面では、選択科目や少人数授業などで活用する「リソースルーム」の新設などにも着手している。勝股校長は「インクルーシブ教育は知的障害のある生徒もない生徒も得られるものが多い。知的障害がある生徒でも『そこで学びたい』という意志のある生徒が入学してくるので期待しています」と話す。
全生徒が理解度アップ
同教育実践推進校における各校の知的障害者の定員は1学年21人。パイロット校の茅ケ崎・厚木西・足柄高校の3校の入学者は、3校合計で17年度が31人、今年度は41人となっている。
当初は健常者の親から「これまで通りの授業ができるのか」といった不安が寄せられていたというが、映像を使うなどわかりやすく授業を工夫。生徒全員の理解力アップにつながっているという。
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