川崎市は4日、宮前区役所と市民館・図書館の3施設を現在の宮前平から鷺沼駅前に移転する考えを明らかにした。現施設・用地の活用は市民参加で検討していくとしている。市民説明会を2月9日と10日に開き、市民意見を3月6日まで受け付ける。
跡地活用「区民参加で検討」
市の基本方針案は、4日の市議会の常任委員会(まちづくり委・文教委)と、福田紀彦市長の定例記者会見で示された。
昨年実施した区民意見の聴取と専門業者による基礎調査の結果を総合的に整理・検討した結果として、「宮前区役所・市民館・図書館を移転・整備し、宮前区全体の活性化を促す『核』としての地域生活拠点の形成を図る」と方向づけた。
現在の区役所などの施設・用地の活用に関しては「市の貴重な財産として市民参加で検討する」と、現時点では白紙。2022年度までに基本的な考え方を定める予定だ。
記者会見で福田市長は「区役所の移転ばかり注目されているが、未来の宮前区の核をどうつくっていくか。その一部が区役所の話。鷺沼再開発がどのように良く影響するか広く説明する必要ある」と話した。また、現区役所などの跡地活用に対しては「民間に売却することはしない」と述べた。
鷺沼駅前地区再開発準備組合の原修一理事長は「市には住民が懸念している防災や交通渋滞などの課題を解決する策をしっかり示してもらいたい。市民にとって、より良い再開発になれば」と話す。
被災リスク分散
現区役所が消防署、警察署に隣接していることから、災害時の対策拠点として鷺沼への移転を不安とする市民意見があがっていた。これに対し市は「建物・設備を更新することで耐震性や運営面を考慮した機能性の向上を図り、既存建物以上の安全性と機能性で災害時の区役所機能を確実に確保する」と説明。鷺沼(区役所)と宮前平(消防署・警察署)の2拠点体制として被災リスクを分散させる、としている。
現施設と同規模
鷺沼駅前での区役所機能は北街区の低層部に整備する方針を示した=配置イメージ。規模は現庁舎と同規模とし、2028年〜30年度ごろの完成を見込む。
市民館と図書館は民間の施設との連携を視野に入れ、駅前街区の低層部に整備する考え。規模は現施設と同規模。21年度に工事着工予定で、25年〜26年度中の供用開始をめざす。
向丘出張所機能を検討
また、基本方針案では向丘出張所の機能向上にもふれている。地域バランスを考慮し、地域住民とニーズや課題を把握しながら検討を進めていくとしている。
3会場で説明会
市は今回の基本方針案について市民説明会を区内3会場で開催する。各会場とも説明内容は同じで、質疑応答を行う▽9日(土)午後1時半〜3時半=有馬・野川生涯学習支援施設アリーノ(定員150人)▽10日(日)午前10時〜正午=向丘出張所(定員100人)▽10日(日)午後3時〜5時=宮前区役所(定員150人)。
市民意見3月6日まで
基本方針案に関する資料は宮前区役所企画課などで配布しており、市ホームページでも閲覧できる。3月6日まで市民から意見公募(パブリックコメント)を、直接、郵送、ファクス、市ホームページで受け付ける。提出先は川崎市役所市民文化局区政推進課(川崎区駅前本町11の2川崎フロンティアビル7階【電話】044・200・2309)。
パブリックコメントを経て、3月末までに基本方針が策定される。
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