川崎市で全国初の女性消防職員が誕生した1969年から今月で50年。これまで積み重ねてきた女性職員の経験や歴史を次世代に伝えようと、初代の女性消防職員らが今月16日、記念式典で思いを語った。
市消防局(川崎区)で開かれた式典には、現役の女性職員やOGが参加。初代女性職員で定年まで勤めた古尾谷(こびや)敏江さん(68)や政令市初の女性特別救助隊員(レスキュー)として活動する後藤彩華さん(30)らは、自らの体験談などを語った。
川崎市消防局は、69年2月に初めて女性消防職員4人を採用。同年4月に8人を採用し、計12人が一期生としてデビューした。横浜市消防は同年4月採用だったため僅差で川崎市が日本初。東京消防庁が女性職員を採用したのは72年のことだ。
当時は高度成長期の真っただ中。「職員も大量に必要で、人材不足も背景にあったのでは」と市消防局職員は分析する。
古尾谷さんは「『何で女がいるの?』と男性からの批判もあった。女性を受け入れる側も初めて、働く側も初めて。お互い戸惑いがあった」と当時を振り返る。
当時の女性職員の仕事は、子どもや女性、高齢者に防火の大切さを伝える予防活動。女性の救急隊員が市内で初任命されたのは99年のことだ。2006年に消防隊員、16年に特別救助隊員(レスキュー)が誕生した。
16年に初の女性副署長に就いた熊谷智子さん(中原消防署)は「昭和60年代までは職場に男性トイレしかなかった。先輩たちが苦労して、手探りで一つずつ改善してきて今がある」と話す。
女性比率6%へ
2月1日時点の市消防局の女性職員数は61人で女性比率は4・3%。一般行政職28・3%、警察8・8%などに比べると低い。離職率も高く、定年まで勤めた女性職員は古尾谷さんを含め2人しかいない。
市消防局は26年度までに女性比率6%の目標を掲げる。熊谷さんは「長く勤めてもらうことが必要。子育てや介護との両立、キャリア向上など女性の未来を切り開いていきたい」と思いを込めた。
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