北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(当時13歳)の父、滋さんが6月5日に87歳で死去した。90年から川崎区に在住し、地元では様々な形での支援が行われてきた。縁のあった人たちは「いつも笑顔だった」と人柄を偲び「生きているうちに、めぐみちゃんに会わせたかった」と無念さをにじませた。
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訃報を受け、福田紀彦市長は「大きな悲しみと喪失感を禁じえません。めぐみさんの一日も早い帰国に向けて、(滋さんの妻)早紀江さんやご家族をはじめ御遺志を受け継いでいきたい」とコメントを出した。同市では2007年から写真展、「拉致被害者を支援するかわさき市民のつどい」を開き、その後毎年実施する。現在、写真展は各区で開催しているが、川崎市市民文化局人権・男女共同参画室の担当者によると、今年度はコロナ禍の収束を見計らい実施する方向。市民のつどいにも同様の意向を示す。
横田夫妻と同じ集合住宅に住む有志で結成された支援団体「あさがおの会」の田島忠代表は、「近所づきあいが始まり6、7年経って拉致されたことが報道されて娘さんがいることを初めて知った。同じマンションの住民として支援できないかと会合を開き、この会が結成された」と設立の経緯を明かす。以来、街頭署名や新聞社を動かしての写真展開催などを通じて、拉致問題を訴え、解決につなげようとしたが「この10年、全く進展がない。私自身、政府に解決してほしいと直接訴えたい」と憤る。「滋さんが亡くなり、がっくりときた。進展の兆しが見えないことに会としてもあせりがある。今一度気運を地元でも盛り上げたい」とも話す。
飯塚正良市議は自身が務める異業種交流会で毎年講演を依頼。2017年まで夫妻で出席していたが、その後は早紀江さんだけとなった。今年も6月の例会への招待を企画している中、先月下旬、早紀江さんから容体が芳しくないとの連絡があったという。滋さん亡きあとも引き続き、支援を続けるという。
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