川崎市内の地下を通す工事が進められているリニア中央新幹線の影響を検証するため、平瀬川で7月31日に流量調査が行われた。平瀬川流域まちづくり協議会(杉田進会長)とJR東海が19年1月から年2回実施。今回も特異点はなかったが、着工後の影響を心配する声もある。
2027年の開業を目指し、JR東海が14年から工事を進めているリニア中央新幹線は、市内の地下約50mを通す計画となっている。平瀬川流域の保全活動などを行っている同協議会は、建設工事による水沢からの湧水への影響を懸念して、同河川の流量計測を同社工事事務所に要望。19年1月から協議会と同社が共同で、工事の前後で流量に大きな変化がないかを確認するため、冬の渇水期と夏の出水期の年2回調査を行っている。
この日も平瀬川沿い蔵敷親水広場(菅生4丁目)付近で、深さや流速を計り、流量を算出した。雨の後のため流量は多かったが特異点はなかった。同社では環境影響評価を毎年行っており8月6日発表分は「今年も影響なし」だった。
着工後に不安の声
同社は「現在はトンネル工事前の調査として実施しており、工事中の調査方法や対応については、今後協議会と調整して進めていく」としている。協議会事務局の松井隆一さんは「JRは良く対応してくれいている」と話すが、中には「湧水なので地下を掘ればそっちに流れてしまい、影響は免れないのでは。川が流れることで流域に憩いが生まれている。水無川にはしたくない」との声もあがっている。
リニア中央新幹線は、東京―名古屋間を最高時速約500Km、40分で結ぶ予定。全長約286Kmのうち、現在契約済みの工区延長の合計は8割を超えている。45年には大阪までの開業を目指す。
川崎市内には等々力非常口、梶ヶ谷非常口及び資材搬入口、犬蔵非常口、東百合丘非常口、片平非常口がある。東百合丘では昨年12月に深さ100mまでの掘削が完了し、現在鉄筋コンクリート製の非常口躯体を構築しているなど、工事が進められている。
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