東京五輪が開幕し、昨晩サッカー男子の日本代表初戦となるグループステージが行われた。メンバーに登録されている三笘薫選手(24)=川崎フロンターレ=と田中碧選手(22)=フォルトゥナ・デュッセルドルフ(ドイツ)=は、区内の鷺沼小学校、有馬中学校を卒業したということもあり、地域から応援の声が寄せられている。
有馬中学校の正門横には12日から、東京五輪に出場する2人の卒業生を祝う横断幕が掲げられている。在校時を知る教諭は、五輪出場が決まった際は「2人の活躍に心躍らせ歓喜した」という。
校内には、2人が大きく描かれた所属チームのポスター30枚ほどがあちこちに貼られている。有馬町会の伊藤昇会長が昨秋、街中でポスターを見かけた同校教諭の相談を受けて、かき集めてきたものだ。
同中で体育を教える住吉幸代教頭は「三笘選手は優しく穏やか。授業のサッカーでは、周囲が良く見えていて周りを輝かせるようなパスを連発していた」「田中選手は応援団副団長や駅伝大会の助っ人も引き受け、元気良くまわりを引っ張っていた。ユースの教えか、スポーツ精神、人に向き合う姿勢が素晴らしく、周囲も真似していた」と当時を振り返る。
三笘選手の3年時の担任だった中原基教諭(現川崎中勤務)は「W杯ユース大会出場など当時から活躍し、そんな中でも学校行事に協力し取り組んでいた。まわりのために動ける子で、縁の下の力持ち役に徹していた」と印象を話す。
母校卒業式にサプライズ
鷺沼小学校の職員室前の廊下には、2人が大きく取り上げられているフロンターレアカデミーの通信誌「ヤンフロ通信」が東京五輪のマスコットとともに飾られている。
「コロナ禍で昨年度の卒業生はあまりイベントができなかった。記念になればと、ダメ元でフロンターレに連絡した」と話すのは同小の小林美代校長。チームからの快諾を受け、卒業生である三笘・田中両選手から「大変な時期だけど、頑張るのは大切な事。自分たちも頑張るので、コロナが明けたら試合を観に来てほしい」という1分半ほどのメッセージ動画が届いたのだという。
動画は卒業式で流されただけにとどまらず、年度の最終日、修了式で全校生徒に向け放映。2人を応援するメッセージを児童に募ると、わずかな時間にも関わらず300通ものメッセージが集まり、同小からフロンターレに送られた。
「ヒーロー」に届け
本紙には2人に向け数々の応援メッセージが寄せられた。有馬中サッカー部2年男子は「局面を1人で打開する三笘選手のドリブル技術をテレビで観て参考にしている。2人のプレースタイルでゴールを量産して活躍を」。同中テニス部1年女子は「有中の先輩で誇らしい。ゴールを決めてみんなを魅了して」。田中選手の中学同級生は「昼休みに一緒に遊んでいた、明るく中心的な存在。卒業アルバムのサインが凄いものになった。頑張れ!活躍期待してる」。中原教諭は「コロナ禍の世に、光差すようなプレーで子どもたちのヒーローに」。小林校長は「自分の力を信じて。学校のみんな活躍を期待している」。そして住吉教頭も「地域一体となって応援している。思いっきり楽しんで」とエールを送った。鷺沼町会も横断幕を掲示している。
グループステージ第2節はメキシコ戦。25日(日)、午後8時キックオフ予定。
※編集室調べ、19日起稿
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