長沢自治会の齋藤英男会長(69)が、登戸殺傷事件のあった2019年5月28日から毎日、登下校する児童の見守り活動を続けている。これに対し菅生小学校の児童から感謝状が贈られたほか、県と市の防犯協会と県警からも表彰された。
「おはよう、いってらっしゃい」「気を付けて帰るんだよ」-。子どもたちに声をかける齋藤会長。登校時間は長沢自治会館前の交差点で、児童らがはしゃいで帰ることが多い下校時には、車が通ると接触の恐れがあり危険だという白幡橋に立つ。
きっかけとなったのは、19年5月に発生した、通学途中の小学生らが被害に遭った登戸殺傷事件。テレビでニュースを見て、県警OBでもある齋藤会長は「地域の子どもたちに何かあってはいけない」と正義感から、その日の午後に自治会館前に立った。以来、雨の日も風の日も、学校が休みでない限り続け、2年半が経った。同町会役員らは「毎日毎日、とてもじゃないが続けられない」と称えるが、齋藤会長は「子どもは地域の宝だから」と話した。
同自治会館には「まもってくれてありがとう」などと、ほぼひらがなで書かれた感謝状が2枚掲示されている。齋藤会長が見守り活動を続ける菅生小学校の1年生が国語の「感謝の手紙を書く」授業で書いた手紙だ。PTAを通して届けられた。齋藤会長は「何よりうれしい」と目尻を下げる。
県表彰も
地域の安全・防犯活動に尽力し安心のまちづくりに貢献した防犯功労者として、県警と県防犯協会連合会からも表彰された。表彰式は例年、安全・安心まちづくり旬間(10月11日〜20日)に合わせた地域安全県民の集いで行われていたが今年は開催されず、このほど区防犯協会を通して賞状が届けられた。川崎市防犯協会連合会の会長賞も合わせて受賞。齋藤会長は「活動はまだまだ日が浅いが、これを機により一層地域の目で子どもを守っていけたら。体の持つ限り続けていきたい」と語った。
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